北朝鮮が「人工衛星打ち上げ」と主張する長距離弾道ミサイルテポドン二号が4月5日午前11時半頃に発射された。一段目は秋田沖の西280キロの日本海に落下、二段目以上は米軍の声明によれば、太平洋上に落下した。国連が禁止しているこの種の行動について、各国の対応はどうも差異があるように思える。米国は弾道ミサイルを迎撃する積りはないと要人が語っていたし、日本政府は、北朝鮮の弾道ミサイルが頭上、領海に飛来した場合はミサイル防衛(MD)システムで迎撃する方針を明らかにしていたが、今回は日本の領域に落下する恐れはないと判断し、迎撃はしなかった。もちろん、日本政府は北朝鮮に厳重に抗議した。
もっとも迎撃ミサイルを打っても、当らなかった場合、結局役立たずの迎撃装備を抱えていることが明らかになって、いっそうそれはそれで議論を捲き興したのではなかろうか。
弾道ミサイルの発射を明確に禁止する国際法規はないが、2006年10月、安保理は弾道ミサイル開発に関するあらゆる活動の停止を求めている。非常任理事国の日本と常任理事国の米国、英国、フランスの三ヶ国は打ち上げるのが人工衛星だとしても、核兵器の運搬手段となりうる弾道ミサイル技術を使う以上、決議違反とする立場だという。
北朝鮮はこの期に及んでも運搬ロケット銀河二号によって人工衛星光明二号を軌道に進入させることに成功したと発表したと朝鮮中央通信は伝えている。いずれ真実は判明すると思うが、独裁国の大本営発表は眉つばものである。