「あ」は「揚げパン」の「あ」 | 本の世界へようこそ ふらりと立ち寄りたい ひがっちの小さな本屋さん 比嘉教子

☆私の尊敬するシカタミカさんがなさっていた

50音ブログ。面白そうなので、マネして始めました。さあ、どこまでやれるかな?



 食べ物の好き嫌いは、あまりありません。
大抵のものは、美味しくいただきます。

ただ一つ、きらいな食べ物があります。

 



揚げパン







「懐かしい給食の味」

「給食のメニュー 人気No.1」

「みんな大好き💕」

‥‥と、称賛の嵐の食べ物。

 これだけが、どうしてもダメなのです。

この話をすると、こう質問されます。

「それならドーナツや餡ドーナツもダメ?」

いえ、ドーナツも餡ドーナツも食べられます

むしろ、好きな食べ物に入ります。



「揚げパン、嫌い」と思うようになったのは、

小学生の頃だと思います。

なにが嫌なのかというと、

ひと口かじったときに、

「ジュワッ」と口の中に広がる油。

その油に混ざるザラザラの砂糖。

あれが、どうしても嫌でした。


 私が小学生だった頃は、基本的に

「給食は残してはいけない」という感じだったと思います。

そのため、

「揚げパンは嫌い!食べたくない!」とは言えないでいました。

 小学4年生までは、揚げパンが出る日は、

表面の砂糖をそぎおとし、パンはできるだけ早く牛乳で流し込んでいました。


 5年生になった時に、事態は思いがけず、

良い方向に向かっていきました。

当時のクラスの担任が、食べ物に好き嫌いが激しい先生でした。

 月初めに給食の献立表が出ると、

自分の好みの献立には◎、

嫌いな献立には❌

まあまあ食べられるものには○や△を書き込んでいました。爆笑

おかげで、子どもたちの食べ物の好き嫌いにも寛容だったと思います。


 そのクラスには、こんなルールがありました。

「給食で、食べられない献立の時は、半分残して良い。半分残す時は、給食が配られる前までに、もらってくれる人を探しておくこと」



 ある日、揚げパンが出る日でした。

「揚げパン、半分残すから、誰か探さなきゃな」

そういうと、

「え!揚げパン残すの⁉️じゃ、オレにちょうだい!」と隣の席の男の子に言われました。

「いいよ。」と言いかけると、

「オレもほしい!○○、ジャンケンだぞ!」

と別の男の子が言い出しました。

結局、ほかにも「引き取り希望者」が出て、

ジャンケン大会になりました。

小学校を卒業するくらいまで、

私の揚げパンの半分は、クラスの男の子たちが食べてくれました。



今でも、小学生や中学生にこの話をすると、

「揚げパン美味しいのにねー」と言われます。

きなこがかかっているのも、あるみたいですね。

そんな美味しい揚げパンなら、嫌いにならないですんだかもしれません。



とりあえず、「あ」のお話でした。