あの男の子、元気かな? | 本の世界へようこそ ふらりと立ち寄りたい ひがっちの小さな本屋さん 比嘉教子

そろそろ、小学校は入学式や始業式の頃かと思います。

ウチの娘達が小学一年生だった頃、何かエピソードがなかったかな?と考えおりました。
思い出したのは、長女が小学一年生だった頃の話。

小学校に入学して1週間くらいから、給食が始まったと思います。
在校生なら自分達で配膳をするようです。
しかし、そこはまだ入学したての一年生。そんなこと、できるはずもないので、保護者がお手伝いに行くことになりました。
どこの小学校でも、そんな感じでしょうか?

あの頃、特に仕事もしていなかったし、次女は幼稚園にいたので、お手伝いに行くことにしました。

給食当番の子がいるにはいるものの、
ほとんど戦力にならないので、先生と保護者が動きます。
私も子供達の机におかずを配るお手伝いをしてました。

その時。

「おい!ババァ!」と声がしました。
今、おかずを配ったところに座っている男の子でした。

うん?
ババァ?
私が何も言わずにいると、その子はニヤニヤしてもう一度言いました。
「おい!ババァ!」

ババァ?
はあ?
と、思ったのですが、よく考えてみると、小学一年生の子からみれば、お母さんなんてのは、ババァだろうなぁと。
そりゃそうだ、と納得したので、
「ババァだよ。」と返事をしました。

すると、なぜかその子はキョトンとしました。
私は、別にそれ以上何も言わずに配膳を続けました。

その子の机に背を向けていると、
「ねぇ、あれ、誰のお母さん?」と私を指さして、その子がまわりの子に聞いています。
誰かが、私を○○のお母さんだよと教えている声がしました。

そんなことがあってから、しばらくして。

駅前の公園で、その子と出会しました。
すると、
「○○のおばさん、こんにちは!」と声をかけてきました。
「あ、この前の『ババァ』の子?」と聞くと、照れくさそうに笑いました。

それから、ずっと私を見かけると声をかけてくれました。その子なりに、「このおばちゃん、おもしれー」と思ってくれたのかもしれません。

小学生時代はやんちゃ君で、中学時代は、少しばかりヤンキーっぽかったけれど。

あの子、今どうしてるかな。