C'est la vie | Aizの合図

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学生時代の先輩が朝井リョウにハマってるとFBに投稿していた。

前から気になっていたから、良いキッカケと思い…



『桐島、部活やめるってよ』



小説良かった。

その勢いで映画も見たけど、珍しくこちらも良かった。



高校生の日常を切り取ったどってことない話。


絶対的存在の桐島の噂に皆が振り回される話。



そこには個性があるようでない登場人物達。

けど、17歳なんてそんなもん。

その“そんなもん”加減の描き方が抜群だった。

17歳は、自己の確立なんてできてないのがほとんどだし
比較対象や拠り所がないと嫌なんだ。



彼らの世界には沢山のランクがある。

その上位にいたいと思ったり
その上位に憧れを持っていたり、時には憎んだり…

思うところは人それぞれだけど
皆、自分への害を最小限にするよう振る舞う。

ちょっとでも自分を出すと害を受けかねないから
自分を抑えることを知っている。


たぶん、それは多くの人が経験してきたこと。
だから、その振る舞い方が少なからず愛おしくも感じる。


上位グループにいても残念な人、迷ってる人はいる。
逆に、下位グループにいても輝いている人がいる。


ふわふわしているのもありだけど
地に足をつけて現実と自分を見つめることの大切さ。


それが17歳にとって最重要かどうかは別として
少年から青年への一歩であることは間違いない。


そう考えると、上位下位のランク付けは無意味にも思える。
でも、その客観的格差は決してなくならない。



それが17歳の世界。



そのリアリティを、現代の日本を、この作品はうまく表している。


だから“そんなもん”が心に響くんだ。

一つ一つの台詞や表情、動作が引っ掛かるんだ。



それに男子校出身者が大好きな共学ものだもん。
妄想し始めたら止まらないよ(笑