そして5月3日。
父の介護再認定の日がやってきた。
今回も私が立ち会うことになり、
ひとりで実家へ向かった。
再認定に来た調査員さんは男性で、前回とは別の方だった。
私と両親で待っていると、
約束の時間にインターフォンが鳴った。
「はーい」とモニターを見ると、
なぜか胸元あたりしか映っていない。
(画角どうなってるの……?)
と思いながら玄関を開けると、
調査員さんが頭を下げながら入ってきた。
とても背の高い、40代前後の爽やかなイケメン![]()
どうやら身長が高すぎて、
インターフォンに収まりきらなかったらしい。
すると母は、一目見るなり――
「イケイケメンメン
」
と、たいそう嬉しそうだった。
やっぱり乙女なのだ。
露骨に機嫌がいい。
心なしか父まで、少しソワソワして見えた![]()
調査が始まり、
「今回、再調査を依頼された理由を教えてください」
と聞かれた。
私は、
「父は脳外科で認知症と診断されました。
現在は要支援2なので、
母と同じように週3回デイサービスへ通えるよう、
再認定をお願いしました」
と説明した。
すると調査員さんは、
「認知症と診断されているのであれば、
要介護になる可能性は高いと思います」
と話してくれた。
そこから父の生活について、細かい質問が続いた。
私は、
デイサービスのない金曜日は
父がひとりで留守番をしていること。
その間、ちゃんとした食事は取らず、
漬物と焼酎の水割りで済ませていることが多いこと。
そんな話をした。
すると調査員さんは、
「漬物に焼酎ですか……渋いですね
」
と一言。
いや、渋いとかそういう話じゃない(笑)
さらに私は、
毎週木曜日に父がひとりで外出していること。
でも最近は足腰がかなり弱っていて、
その外出も見ていて危なっかしくなっていることを伝えた。
すると突然、父がもじもじし始めた![]()
「どうしようかな〜。言っちゃおうかな〜」
ニヤニヤしている。
私はこれまで、
木曜日は「用事があって出かけている」とだけ伝えていた。
ロト6を買いに行っていることは、
なんとなく内緒にしていたのだ。
(キタさんにも内緒だった)
ところが父は突然、満面の笑みで言った![]()
「毎週木曜日は、ロト6を買いに○○駅まで行っています
」
急なカミングアウトだった
どうやら調査員さんがイケメンだったから、
父まで浮かれてしまったらしい。
……なぜ?![]()
すると調査員さんは、
「夢があっていいですね!
私の担当していた方で、かなり高額当選した方もいましたよ
」
と笑ってくれた。
父はすっかりご満悦で、
「これからも、ちゃんと買いに行きます!」
と宣言していた。
……そういう問題?![]()
そんなこんなで、調査は終了。
調査員さんが立ち上がると、やっぱりものすごく背が高い。
思わず私は身長を聞いてしまった。
「191センチです。
トランプ大統領が190センチ、
大谷翔平さんが193センチなので、その間ですね」
すると父も母も、
「大きいなあ
」
「かっこいいわね
」
と、ずいぶん嬉しそうだった。
……なぜそんなに盛り上がる(笑)
私もつい、
「Snow Manのラウールも190センチありますよ
」
と、なぜか会話に参戦してしまった。
両親に介護が必要になってから、
いろいろな人と出会う機会が増えた。
昨年までの静かな生活から一転して、
介護を通して、たくさんの人が家に出入りするようになった。
大変なことももちろん多い。
でも、
両親にとっても、
そして私にとっても、
人と関わる機会が増えたこと自体は、
決して悪いことばかりではないのかもしれない。
介護に関わるみなさんは、
本当に親切で、一生懸命で。
そのたびに、
頭が下がる思いだった。
大変な毎日の中にも、
こんなふうに笑える時間も、ちゃんとあったのでした。
読んでくださって、ありがとうございました🍀