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杉本の回想録によると、86年ごろにはすでに、麻原は<解脱すれば現世で罪になることをしてもカルマにならない。だから解脱者には罪はない>と身勝手な論理を語っていた。
これについて説明しておこう。
<解脱すれば現世で罪になることをしてもカルマにならない。>
これは正しい。
しかし、<だから解脱者には罪はない>
これは間違っている。
論理的に考えれば簡単に答えが出る事である。
現世には現世のルールが有り、カルマにはカルマの法則があるのだから。
そして、もう一つのポイントが、解脱とは何か?である。
裁判については特に書くことはない。
警察庁長官銃撃事件については、中村という老人が犯人だという説があるが、バカなのかと思う。
そんな事は有り得ない。
嘘だと思うなら、自分が65歳になったときに準備運動なしにいきなり全力疾走したらどうなるか試してみたらいい。
身長160cm、勉強は出来るがかけっこはいつもビリだった男が、65歳になって厚さ13センチの厚底ブーツを履いたら急に走るのが早くなったと本気で思っているのだろうか。
バカにもほどがある。
犯人の目撃情報によれば、身長はおよそ175cm。
コートをなびかせ、颯爽と走り抜けている。
長官の身体に残る弾丸の入射角度から割り出した犯人の身長も同じく175cm。
壁に残る犯人の左手の跡から割り出した身長もまた175cm。
これらの事実から、どうやって身長160cmの高齢者が犯人だと言えるのか、僕には意味がわからない。
物理的に不可能にしか思えない。
ただ、興味深いデータとしては、銃撃に使用された弾丸が普通のものではなく改造されたものであるという点だ。
犯人から長官までの距離22、3メートルに火薬の量が調整され、その弾丸は凄まじい破壊力を持ったまま命中精度が最高になるように調整されている。
長官がいつもどおりの出入り口から出て来ていれば、火薬の量と距離が合わない。
したがって、ここから考えられることは二つある。
一つは、犯人は長官がその日に限って、いつもとは違う出入り口から出て来ることを知っていた。
ということになるが、まさかそんな事はないだろうと思う。
もしそうだったとしたら、その情報は警察内部から漏れたものであり、日本警察の歴史上最大のスキャンダルになる。
個人的には、事件の第一報を聞いた時からこれはオウムの犯行ではないという事は直ぐに分かったが、警察内部の犯行であるということをずっと疑っていた。
公安部、刑事部ともに犯人をでっち上げているのだから、警察内部の犯行をごまかすためと考えれば筋は通る。
映画にでもしたいぐらいのストーリーだ。(笑)
もう一つの可能性が、犯人はもう一人いたというものである。
二つある出入り口の両方に、火薬の量を調整した犯人が待ち構えており、長官が出てこなかった出入り口の方で待ち構えていたのがこの老人ということになる。
ただ、この老人は自己顕示欲が強く、自分が警察庁長官を銃撃した英雄になりたかったということなのだろう。