オウムを取り巻く人々⑥ | 法友(とも)へ

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とりあえずは日雇労働。

 

手配師が顔見知りなので簡単である。

 

日当1万円だが、年収なら300万円。

 

これで大抵のイニシエーションは受けられる。

 

 

もう少しキツイ仕事になると、日当1万2千円。

 

高校を卒業してすぐの若者を、将来出家したいと言うので道場の近くに住まわせたことがあった。

 

稼ぎたいと言うので日当1万2千円の仕事を紹介した。

 

ほかの1万円の仕事をやっている連中に言わせると、自分にはキツくて無理という話だったのだが、その若者は全然平気だったので驚いた。

 

 

初日の仕事を終え、帰りにそのまま道場に寄った時に「どうだった?」と声をかけたが、「よかったです。」と答えていた。

 

肉体的にはキツイのだと思う。

 

疲れてはいるのだろうけれど、それ以上に自分の力でカネを稼いだのだという満足感がその顔にあふれていた。

 

 

それはそうだろう。

 

実家で親の世話になりながらでは、自由になる金は殆ど無い。

 

大人の信徒たちのようには、満足にイニシエーションも受けられない。

 

相当に悔しい、情けない思いをしてきたに違いない。

 

それがもう、これからは違うのだから。