心臓が止まりました12 | 法友(とも)へ

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極限修行中は言葉を発する者はいない。

 

道場には修行者達の呼吸音が響くのみである。

 

 

祭壇の上には麻原が椅子に座っており、幹部たちに何やら指示を与えているようだ。

 

そして、何かの用事で石井も席を離れ、麻原一人だけが残されていた。

 

 

静かな時間が流れて、しばらく経った頃。

 

何か聞こえる。

 

祭壇の方から、かすかに聞こえる。

 

聞くとはなしに聞いていると、麻原が何かひとりでぶつぶつ呟いている。

 

 

すすめ、すすめ、・・・

 

その後が聞き取りづらい。

 

まるで、歌でも歌っているようだった。

 

何度か聞いているうちに、だんだんとその言葉が分かるようになってきた。

 

 

「進め、進め、修行よすすめ。」

 

「進め、進め、修行よすすめ。」

 

と2回繰り返した後に、聞き取れないマントラが続く。

 

 

 

何とも言えない不思議な感覚。

 

一方で死ぬ気で修行をさせ、もう片方では優しく歌を歌う。

 

矛盾する二つの行動。

 

しかし、これが、麻原彰晃というものなのだろうと思う。