地下鉄にサリンを撒けば教団は崩壊する。
これは間違いのない事実である。
そして、もうひとつ。
地下鉄にサリンを撒いて人を殺しても、被害者をポアすることは出来ない。
これもまた、オウム真理教の教義における、紛れもない事実である。
これは麻原が、ポアに関する説法で何度も説明している通りである。
つまり、地下鉄にサリンを撒くという行為の結果もたらされる事実は、被害者をポア出来ず、そして教団が崩壊するという事である。
こんな事がグルの意思なのか?
麻原は何度も弟子たちに、グルの意思を実践しろと言っていた。
これは、言い方を変えれば、グルの言葉を実践するな、という意味でもある。
しかし、ここで、更なる問題がある事に気付く。
地下鉄にサリンを撒くという事を、麻原から指示されていないのだ。
これでは、グルの意思どころか、グルの言葉でさえない。
地下鉄サリン事件の実行犯たちが、何を考え、なぜサリンを撒くという結論に至ったのか、未だにはっきりしない。
裁判というものは、罪を確定し罰を与えるものであるために、事実は明らかにはならない。
裁判の性質上、それは致し方のないものだとは思う。
しかし、もう裁判も終わったのだから、死刑囚たちに自由に面会・交流を許し、事件の真相を明らかにしてもらいたいものだと思う。