オウムの修行といえば、やはりヴァヤヴィヤからのツァンダリーである。
これはオウム真理教における常識と言っていい。
ツァンダリーは実によく出来た修行体系である。
生起と究境という瞑想の二本の柱だけでなく、入門から完成に至るまでの修行法が全て網羅され、体系付けられている。
そのツァンダリーの瞑想法の中で、修行者はダキニと交わるのである。
まさにタントラヤーナの秘儀と言える。
煩悩を使って修行を進める。
この発想は他の修行体系にはない。
まさしく観念の崩壊であるが、タントラヴァジラヤーナの一角を占めるタントラヤーナの理解なくして、オウム真理教の教義の理解はない。
で、ダキニの説明に入る訳なのだが、ダキニの説明をするという事になると、当然にグヤサマジャ、そしてシヴァ神の説明が必要になる。
シヴァ神、グヤサマジャを知らずに、オウムを語る事は出来ない。
ところで、ここで注意が必要なのは、ダキニの事である。
ツァンダリーに登場するのは、ダーキニーではなくダキニである。
これはシーハーとシーハ以上に隔たりがある。(笑)
シーハーとシーハは、まあ似たようなものであるが、ダーキニーとダキニは全く違う。
ダーキニーは愛人、ダキニは天女である。(笑)
人と神の違いがあり、神と交わるのでなければ修行にはならない。