波野村にて③ | 法友(とも)へ

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波野村にいたとき、麻原がやって来てちょこっと説法をして帰って行ったことがありました。


あの当時まだプラントは完成しておらず、がらんとした建物の中に大きな実験器具のようなものがいくつか置いてあるだけでしたね。



麻原が帰ってから直ぐのことだったと思いますが、血相を変えて平田が飛び込んできました。


「尊師の車が右翼に襲われた!」


「男はみんな車に乗れ!」



こんなときでも優しいよねえ。


わざわざ「男は」って断らなくても、女は誰も乗らないと僕は思うのだが。



まあ、とにかくグルの一大事なので、2台の軽トラの荷台に飛び乗って直ぐに出かけることに。


道が悪いのであちこち身体をぶつけながら猛スピードで飛ばしていると、トランシーバーでやりとりをしていたサマナがぽつりと「右翼は拳銃を持っているって。」と言いました。



沈黙に包まれましたね。


しばらくして誰かが「ぅわらーーーー!」と意味不明の叫び声をあげていましたが、気持ちは分かる。


これから拳銃持った右翼と喧嘩せにゃならんのだから。



あ~あ、大変なことになったなあと思いながら、道具は鉄パイプか角材かどっちにするかなあと考えていると平田がおもむろに口を開きました。


「俺が右翼の車の前に出て車を止めるから、お前たちはフロントガラスをぶち壊して外に追い出してくれ。」


「俺が仕留める。」




ここにもいましたね。


拳銃の前に平気で出て行けるお方が。


まったく、林 泰男といい平田 信といい、みんなどうかしてるぜ。


これで帰依が足りないとか言ってるんだから、信じられん。


こうなってくると、もうサマナの誰かが職業を間違えているということじゃなくて、そもそも麻原が職業を間違えているという気がしてくる。


もし麻原が別の方向へ進んでいたとしたら、もしかしたらオウムは何か新しいものを生み出していたんじゃないだろうかと思ってしまいますね。