「かりてきたねこ」

カリテキタネコ、です。
それは、猫を借りて来て、
可愛いね~というのでなく、
指導者における注意事項です。



か=感情を出さない。

感情を爆発させ、怒りにまかせて責め立てるのではなく、たとえ心の中では怒ることでも、表に出さず、理性を働かせて冷静に叱る。



り=理由を伝える。

なぜ叱るのか、という「理由」を説明しなければ、自分は嫌われているんだと相手から誤解されてしまいがちなもの。理由さえ、先に相手に伝えておけば、あとは相手が、自分の過ちに自然と気付く。



て=手短に叱る。

いつまでも同じことをくどくどと叱ったり、ぶり返さない。何度もしつこく反復してしまうのは、偉そうにいきがって見えるだけ。長々といつまでも叱りたいのは、相手をやりこめて、優越感に浸りたい場合が多い。やられた方は、劣等感とトラウマと怨恨が残る。



き=キャラクター。

人にはそれぞれ、その人独自の個性的なキャラ、つまり性格や人格がある。あえてそこには触れないこと。普段の楽しげな日常会話でならばともかくとして、シビアな場面での人格攻撃は、絶対にこれだけは御法度です。間違いを指導したり、ミスを追求するに際しても、性格がどうこうということには絶対に言及しないこと。キャラを盾にして叱る様な展開になってしまえば、相手の人生、あるいは存在そのものを、完全に否定して裁いているという覚悟を、指導者はしなければならないのだから。



た=他人とくらべない。

叱る相手の仲間や身内、家族や友達、親しい人たちとその人とを、比較したりしてはいけない。叱る側の想像出来ないような、大きなショックがある。叱られていても心が動揺していては、どんなに適切な指導をしていると思っていても、効果はそれほど得られない。本人の心の底から平安を奪うほどの衝撃を与えることなく、その当事者の本人自身に、冷静に客観的な事実の確認をさせないと、叱る相手の方が感情に走りかねない。



ね=根に持つな。

相手のミスは、それがどれほど大きなものであろうとも、いつまでも根には持たないこと。たとえ、もう一度その事柄について、指導したくなったとしても、それを、あえてわざわざ別件の問題や出来事が発生している最中には、蒸し返してしまうことがないように。また、叱った雰囲気を、翌日にまで持ち越したりしてもならない。一度指導をしておけば、あとは、その相手の人に信頼して、いつまでも恨み言を繰り返す様な言い方は、絶対にしてはいけません。


こ=個別に叱る。

大衆の面前で厳しくやりこめられては、人は、叱られている内容よりも、その事実の大きさの中で、もがき苦しみ、いたたまれない。もし、指導する相手に、信頼する仲間や友達がいたとしても、その人たちの前で叱ることで、何かしらの効果を期待してはならない。仕事の上でも学業やスポーツでも、同僚や同級生、取引先や応援してくれている人の見ている前で叱られたとして、相手にはどんな気持ちが残ることだろうか?職場や学校での成績や評価において、高い低いの影響がどれほど出たとしても、本人の心の中に怨恨を残すことは、避けないといけない。