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クリスマスの寒い夜、少女は街角でマッチの束の入った籠を持って、道行く人に売っていました。

「マッチを買ってください」

誰も振り向いてくれません。全く売れないマッチの籠を手に、少女は途方に暮れていました。

「これじゃ家に帰れない」

寒さに耐えられなくなった少女は、雪混じりの風を避けて家並みの影に入りました。
少しでも暖まろうと、籠の中のマッチの束から一本のマッチを抜いて、火をつけようとしました。
ところが、周囲の建物の壁は雪で湿っていて、マッチを擦るための乾いてザラザラしたものがありません。
しかも籠の中のマッチまでが湿っているのです。

「箱にでも入ってたらなぁ。それでその箱でマッチを擦れたら・・・、そうだ!」

少女は家に帰ると、小箱をたくさん作って、裏側にマッチを擦るために紙ヤスリを貼り、マッチを詰めました。
便利になった箱詰めマッチは、どんどん売れるようになりました。

家が裕福になり、少女は幸せに暮らしましたとさ。

おしまい。。・゜・( ´ ▽ ` )ノ・゜・。