いまはなき、
かなわぬこいの
ものがたり。
はじまりはじまり、
めでたしめでたし。



きみのえがおに
いやされて、
ぼくにもえがおが
よみがえる。


きみのなみだや
かなしみは、
ぼくにかなしみを
もたらした。



いつしかきみは、
かたりはじめる。
かなわぬこいの
ものがたりを。


どんなにきみが
なげいていても、
ぼくははなしを
きくだけだった。


きみのなやみや
くるしみを、
ぼくはいつでも
きいていた。


それがいつしか
ぼくじしんの
なやみやくるしみに
なるとはしらずに。






きみのなげきや
かなしみが、
ぼくのこころを
つらぬいた。


きみはぼくの
こころのいちぶ。
ぼくのこころに
きみがいた。


こころがしおれて
たてないときも、
きみがいたから
たちあがれたんだ。



きみがいつしか
ぼくじしんを、
しおれてたてなく
させるともしらずに。



いまはなき、
かなわぬこいの
ものがたり。
はじまりはじまり、
めでたしめでたし。