今日のお話はUniversity of Texas Medical Schoolリウマチ科の
John先生による強直性脊椎炎(AS)のお話でした。
今日のポイントは、
1. HLA-B27を持つ人は持たない人の90倍病気になりやすい。
GWAS解析により疾患感受性遺伝子としてIL23RやERAP1等が同定されたが、
HLA-B27は最も強力で、予後予測因子にもなりうる。
2. NSAIDを常用している患者は、頓服のみの患者と比べて、骨破壊の進展が
有意に抑制される(Arthritis Rheum. 2005;52:1756–65.)
3. 生物学的製剤は症状改善、臓器障害改善効果は認められるが、骨破壊や強直
に対する効果は抑制できない可能性がある。
です。2, 3に関して議論の余地はありますが、これらのデータは、画像診断には定評がある
van der Heijdeのグループが報告しており、今回講演されたJohnも同意していました。
「NSAIDのみで治療できる患者もたくさんいる。腸炎やぶどう膜炎等の臓器障害を合併した患者に
TNF製剤は有効であるが、すべての患者に考慮されるべき治療ではない。」
といってた気がします。
これらの点から、TNF製剤が骨破壊の進展を抑制するとされる関節リウマチ(RA)とは病態が大きく異なるようです。