昨日の外来診療中でのワンシーン。
「先生、うがいにイソジンは良くないって聞きましたけど、
口内炎にイソジンっていいんですよね。」
確かに、インターネットで検索すると口内炎にイソジンが有用であるかの情報が
(ためしてガッテンでの検証で口腔内の細菌が減るからだとか。)
イソジンの持つ殺菌作用は否定しません。しかし、口腔内の細菌を減らせばよい
というわけではなく、口腔内細菌叢のバランスも考慮すべきです。
また、イソジンはしみて痛みが強かったり、口内を乾燥させ、組織の上皮化
(口内炎が回復して新しい組織ができること)を阻害することは証明されており、
結論として、口内炎があるときは用いないほうがよいのではないかと思います。
リウマチや膠原病では薬剤の副作用として口内炎が起こることも多いです。
(リウマトレックスやエンドキサン等)
せっかくうがいをするなら、イソジンよりも、
アズノール
生理食塩水
お茶(高濃度カテキン)
を勧めてます(できれば2-3時間ごとが望ましい)。
余談ですが、イソジンでのうがいは風邪を予防しないとの論文があります。
Prevention of upper respiratory tract infections by gargling: a randomized trial.
Am J Prev Med 2005;29:302.
これから気温がさがり、うがいをされる方は参考にしていただければ幸いです。