FlexLinkの概要
FlexLinkは、Cisco Catalystスイッチシリーズで使用されるレイヤー2(L2)のリンク冗長性機能です。FlexLinkを使用すると、スパニングツリープロトコル(STP)を無効にしながら、ポート間で冗長リンクを提供できます。これは、STPによるループ防止を回避しつつ、ネットワークの冗長性を確保したい場合に便利です。

FlexLinkの主な特徴
基本的な機能:

FlexLinkは、スパニングツリープロトコル(STP)を使用せずに、2つのポート間でアクティブ/スタンバイのリンク冗長性を提供します。
1つのポートを「アクティブポート」とし、もう1つのポートを「スタンバイポート」として設定します。通常、トラフィックはアクティブポートを通過し、アクティブポートがダウンした場合にスタンバイポートに切り替えられます。
使用方法:

FlexLinkは、ポートごとに設定され、各ポートは特定のFlexLinkグループに属します。1つのグループ内で1つのポートはアクティブ、もう1つはスタンバイとして動作します。
切り替えが発生するとき、スタンバイポートは自動的にアクティブポートになり、トラフィックの中断を最小限に抑えます。
利点:

スパニングツリープロトコル(STP)の遅延を回避できるため、より迅速な切り替えを実現します。
FlexLinkは、STPが使用されていない環境や、デザイン上STPを使用したくないシナリオでの冗長性を提供します。
シンプルな設定で、STPの煩雑な設定管理を避けることができます。
制限事項:

FlexLinkはレイヤー2のスイッチングに依存しており、レイヤー3(L3)機能とは互換性がありません。
STPを使用しないため、ネットワークデザインの一部として慎重に計画しないと、ループが発生する可能性があります。
2つのポート間のみの冗長性を提供し、多ポートや複雑な冗長性構成には対応していません。
具体的な設定手順
FlexLinkの設定については、以下のように進めます。実際の設定手順はCiscoの公式ドキュメントで確認する必要があります。

アクティブポートの設定:

plaintext
interface GigabitEthernet1/0/1
switchport backup interface GigabitEthernet1/0/2

上記のコマンドは、GigabitEthernet1/0/1をアクティブポート、GigabitEthernet1/0/2をスタンバイポートとして設定します。
スタンバイポートの設定:

アクティブポートがダウンすると、スタンバイポートが自動的にアクティブになります。
詳細情報

より詳細な情報については、Ciscoの公式ウェブサイトやユーザーマニュアルを参照してください。Catalyst 9000シリーズの製品ページや技術文書には、FlexLinkやその他の機能に関する詳細な設定例と解説が記載されています。