かたまり
「先におふとん入ってて。」と言ってから、
少しキッチンを片付けていたら
思ったより時間がかかってしまった夜。
すっかり眠りの世界にいる人を起こさないように
そっと毛布をあげて洞穴に滑り込むと
ひとの形をした、温かいかたまりが
背中を丸めて寝息を立てていました。
その輪郭に沿うように身を寄せ、抱きしめてみます。
静かに上下する、大きなかたまりが「そこにいる」ことが嬉しくて
つい、口もとが緩み笑ってしまいます。
「くっくっく」と必死に声を立てず目じりに皺をよせて。
しっとりとしたあなたの匂いが本当に好きで好きで
条件反射で笑ってしまうのです。
じっくりぽかぽかと伝わる温度さえも
逃したら勿体ないほどいとしい。
このぬくもりはここにしかありません。
生きている、眠っている、そこにいる、ああ良かった
たからものなのです。あなたは、私の。