ベテラン | 恋愛小説家
どうやって距離を縮めようか
どうやって気に入られようか
「あなた好み」に近づくことに奔走して
新しい色の服を着た
そんな時代はいつのこと
誰かに合わせて趣味まで変わり
不慣れな店で買い物をする
手持無沙汰な姿は滑稽で
自分のポリシーのなさを愚かしいと
肩をすくめて笑っていたけれど
少しでもあなたの傍にいたい
少しでも可愛いと思われたい
単純な欲求に突き動かされて
好きでもない色に手を出してしまうほど
その想いが情熱に満ちていたのだから
それはそれで悪くない気がしました
愛されたいから自ら愛する明快さ
素直で健気な努力とときめき
ベテランだって忘れてはなりません

