付き添い | 恋愛小説家

付き添い

耳元をハサミが通る、

シャキシャキと金属が擦れる音。

髪を切っている私の後ろで

少し離れてあなたが座っているのを

ときどき鏡越しに見つめる。


あなたはあなたで、

大きなてるてる坊主になって

高椅子に座らされた私の変身をときどき見ている。

目が合うと照れくさい。


子どもに付き添っているお母さんと並んで

鏡の向こうで見守っている、成人男子が一名。

私たちがとても仲良しなのは間違いないけど

いい歳した大人の組み合わせだと

けれども、ちょっとおかしな風になる二人連れ。


待っている方は退屈かと思いきや

たまに変な顔をして笑わせてくるから愉快。

「髪形を変えたら一番に見せたい」は

もとよりかなっている。