別々の「一」 | 恋愛小説家

別々の「一」

静かにしているときほど
実はいろいろ考えていて
沈黙のあいだに
育っている想いがあることを
知らない者は勝手なことを云う


何しているの

忘れているの
知りたい、訊きたい

会いたい、触れたい

大事にして、だなんて

若い愛なら燃えていて
穏やかな愛なら磨かれている
枯れ行く愛なら佇んでいて
実る愛なら拓かれている

起きぬけのあなたから届いた
「夢で一緒に旅していたよ」という報告は

他愛もないようで思いのほかグッときた


意識が途絶えている束の間にまで
ひっそり押しかけ棲み着いた私
その言いようもない嬉しさに

小さな文字を何度も読んだ


ちょうど半分に分かれた

片割れみたいと誰かが言ったように

あなたと私は別々の「一」

だけど一人きりじゃない