手がかり
ぱちん、ぱちん。
化粧っけのない爪を切ります。
不精さゆえ、すっぴんばかりの私。マニキュアはほとんど塗りません。
最近は夏の日和。サンダルを履く日が増えたので
足元ぐらいはカラフルに・・・なんて、
何年も使い切れない小瓶を手に取ります。
★
10年ほど前のこと。
職場の飲み会で、いい具合に酔っ払った上司と
どういう経緯か、本について話すことがありました。
半分ぐらい、呂律の回らない口調ながら
「この本が、い~から、読みなすわぁい。」と、
真っ赤な顔で力説された一冊があったのですが
なにしろ、かなりお酒が入っているようで
誰の書いた、何という本なのかハッキリしない。
お酒の席での会話など、次の日には忘れてしまうでしょうし
翌朝すっかり正気に戻ったところで、わざわざ隣りの部署へ
(私には直接かかわりのない上司だったため)
「昨夜、教えていただいたのは何という本ですか?」と聞くために
垣根を越えていくのもどうなんだろう?というためらいから
結局あいまいのまま、終わってしまったのでした。
・・・という、記憶が
長いこと心の隅に引っかかっていました。
実はこれまでも、何度か
「あの時の本は何だったんだろう?」と思い返していたのですが
今ごろになって、ちゃんと調べてみる気になりました。
手がかりは
山の話。ノンフィクション。
登山者が二人いて、遭難する。
仲間を見捨てられず、ともに死を選ぶ。
人はたびたび、「死にざま」ばかりを取りざたすが
「生きざま」にこそ、胸を打たれるのだ・・・
という、上司の感想。
「○○の△△」というタイトルで、後半はカタカナだったはず。
インターネットは便利ですね。
「風雪のビヴァーク(松濤明 著)」に違いありません。
という訳で、さっそく図書館に予約を入れました。
ずっと気になっていたのに、なぜ「今」なのでしょう。
もしかしたら、今だからこそ紐解けるメッセージが
本のどこかに隠れているのかもしれません。
些細なことでも、実行する。
そこには何か意味があるはずだと思います。