プリンちゃん | 恋愛小説家

プリンちゃん

さらさらと

チラシの裏に、プリンの絵を描きました。

プッチンプリンを「ぷっちん」した上にクリームを絞り

人工的に真っ赤なさくらんぼを飾った絵です。

 

その次に顔と、ひょろ長い胴体と棒のような手足を加えました。

「プリンちゃん」と命名し、わざわざ下に書きました。

 

プリンちゃんは

私と彼のデートのたびに

レシートの裏や、カフェのペーパーナプキン、

ノートの隅に増殖していきました。

 

ふざけて描いた落書きから

仕舞いには自作のプリンちゃんグッズまで登場し

彼の部屋の本棚にちまちまと陳列されはじめました。

 

それからしばらくして

ファンシーなキャラクター雑貨店で発見したのです。

「プリンちゃん」と同じ名前の、ブサイク顔したプリンさんを。

 

彼は私に

「あまりにも素晴らしいから、誰かに盗まれたようだね」と

面白そうに笑いました。

私はいつの間にかプリンちゃんを描かなくなりましたが

本棚のプリンちゃんグッズはいつまでも飾られていました。

 

遠い記憶を呼び起こしてしまったせいで

プッチンプリンが久しぶりに食べたくなりました。