いつもどおり | 恋愛小説家

いつもどおり

あなたのことを思い出して眠る夜

今日は何をしていたんだろう

 

ひねくれ者だから

きっとつまらなさそうに

仕事していたんだろうな

格好つけのカタマリで

面倒くさそうに会話するんだ

やさしいくせに

 

マッチを擦って

眉間にしわを寄せて

煙草に火を点けるんだよね

 

ねえ

前にこんなことがあったんだよ

 

どこか異国情緒がただよう

風が強い町並みを歩いていたの

やたら目立つ海沿いの白い建物は

私の目指す場所だった

 

ガラス張りのエレベーターが2つ並んでいて

ホールに立ったとたんに

すっとひとつのドアが開き

逃げられないな、と観念したの

おとなしく乗り込んで6階を押して

はめ込まれたミラーを覗いて前髪を直し

背筋をしゃんと伸ばして頷いてみたよ

 

でも息切れしそうな鼓動は

ちっともおとなしくならなかった

 

手にぶら下げた紙袋は

少し前に話題になっていたチーズケーキ

乗換駅で買ってきたけど

おいしいかどうか知らないの

どうでもよかったんだ

そんなことは・・・もう
 

ああ、だんだん眠くなってきた

 

夜風が運んできた雨の匂い

最近やけに涙もろくて嫌になる

小さなことでも報告したいのに

何も言わないまま時間だけ流れて

 

それで今日はどんな一日だった? 

 

はいつもどおり

あなたのことで一杯だったよ