開かずの扉 | 恋愛小説家

開かずの扉

いつからか 期待をしないように
割り切った風に生きていても
君を前にすると
イメージするほど 無心や無欲になれない
どこまでも人間くさい部分がある
 
見返りを求めないと思っているのに
君を求める僕の気持ちが
だんだん目に付いてきて調子が狂う
 

 
何ヵ月かぶりに
昔の私を知っている人と会う約束をした
 
約束の日がだんだん近づいてきて
再会する瞬間を夢にまで見るようになって
気にしていないようでも
楽しみにしている自分に気付いた
 
本音はそう
かつて一度は
この人に抱かれたいと思ったこともあった
 
口に出すことは決してない
胸の奥に閉じ込めて
開かずの扉は 鍵をかけたまま
 
顔を合わせれば嬉しくて
お互いを尊重しあって
久しぶりに会えば 近況報告が愉快で仕方ない
恋人を紹介されれば 祝福だってできる
 
たぶん私たちは 愛し合っていると思う
それだけでもう十分
開かずの扉は ひっそりとそこにあるだけでいい