あじさい | 恋愛小説家

あじさい

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あじさいの鉢についた花が
だんだん深い青に変わってきた。
花屋のおじさんから

「水を切らさないで」と聞いていたけど
昨日、鉢を持ちあげた感触がまだ重かったので
根腐れしても困るなと、水を控えていた。

ところが、今朝になって出窓のカーテンを開けると
すべての花が下を向いていて
触れるとちぎれそうなぐらい、くしゃくしゃになっていた。

死んでしまいそうな姿に悲しくなって

間に合うか分からないけど、とにかく水をあげた。
鉢の下から流れ落ちて、皿が溢れるぐらいたくさん。

あじさい、ガンバレ。 と、話しかける。
あじさい、ガンバレ。 と、葉を撫でる。


驚いたことに、1時間もしたら
皿にたまった水は残らず吸い上げられ、
しなだれていた花が持ち上がりはじめた。
そして、午後には、また元気な姿に戻っていた。
ゴクゴク 水を飲み干して
あじさいが息を吹き返す様子を、私は眺めていた。

どうか、この乾いた心にも
やさしい雨が降りますように

あなたに呼ばれ、花を咲かせたい


そう祈りながら。