紙一重
彼女は、ときどき辛辣にものをいう。
「嫌になっちゃう、どうしてあんな人を好きなのか。
自分にうんざりするっていうか、私ってかなり趣味悪い?
オトコを見る目ないのかな」
ところが時間を置いてまた会えば
恋に夢中で彼がどうしても必要だという。
「とても好きな人と、とても嫌いな人は紙一重なの」
彼女のいう紙一重のフィーリングも分からなくない。
そういう相手ってなかなか切れないもの。
「デートの約束をした」と嬉々としているくせして
その日が来るまでに
また彼の愚痴を聞かせてくるのかもしれない。
思いは波のようだ。
ある時はとても好き
寝ても覚めても何をしていても
どうしようもないぐらい好き。
ある時はとても嫌い
好きだと思っていた自分そのものが
信じられないぐらい嫌い。
何となく納得できない、不完全燃焼なサイクル。
良くも悪くも気になる場所に居座られること自体、
「心を奪われている」ということなのだろう。
苛立つけれど、それでもやっぱり待ち遠しい
嵌る相手との恋。