おめざ
いつもより少し早く目が覚めた、6時7分前。
携帯のアラームをオフにしようとして、あ、と思う。
熱帯夜の気だるさが抜けきらない部屋で
いきなり正気になった。
めずらしく、メールが来ている。
私が寝たのは2時だったから、
それから朝までの間にメールを送ってくる相手など
相当な夜型の人か、早起きの人だ。
正解は、夜型の人からだった。
梅雨が明ける前に会って、それ以来
ずっと音沙汰なかったのに、
こんな風に、ふらっとバーへ立ち寄るみたいに
私のことを思い出すみたいだ。
目が冴えてしまったから、送ってきたらしき
他愛もないメール。
夜明け前の暗い部屋で
液晶の明かりに目を細めつつ、何を考えていたんだろう。
淋しい気持ちは、少しぐらいましになったのかな
ずっとずっと昔に
早起きした朝、母からもらえる一粒のチョコレートが好きだった。
そんな、甘いものを口に含んだ時のような気分なのに
今日の“おめざ”は、少しほろ苦かった。