SNSリサーチの精度を上げるための実践的な調査設計

Instagramで情報収集をしていると、フォロワー数や投稿数を見て終わってしまうことがあります。

私も以前はそうでした。

「このアカウントはフォロワーが多い」

「この人は有名そう」

「このブランドは人気がある」

そんな印象をメモして、次のアカウントへ。

でも、アカウント数が増えてくると、それだけでは情報が整理できなくなってきます。

特に、

・競合の商品を調べたい
・インフルエンサー候補を探したい
・自分の業界のアカウントを整理したい
・SNSマーケティングの参考になるユーザーを探したい
・複数のInstagramアカウントを比較したい

という場合、「フォロワーが何人いるか」だけでは判断材料として足りません。

大切なのは、

「どんなアカウントが、どんなつながりの中に存在しているのか」

を見ること。

今回は、Instagramの公開情報を使って、フォロワーやフォロー中のアカウントを調査するときの考え方を、できるだけ実務的にまとめてみます。

単純な「フォロワーの集め方」ではなく、集めた情報をどうリサーチに活かすかという視点です。


まず、「フォロワー数」から少し離れてみる

Instagramを見ていると、どうしても目に入るのがフォロワー数です。

1万人。

5万人。

10万人。

100万人。

数字が大きいほど、そのアカウントが重要に見えてしまいます。

でも、マーケティングの視点では、

フォロワー数=影響力

とは限りません。

例えば、自社が美容系の商品を扱っているとします。

Aさん:

フォロワー 20万人
投稿内容 → 旅行・日常生活

Bさん:

フォロワー 2万人
投稿内容 → 美容・スキンケア・コスメ

この2人を比較した場合、単純なフォロワー数だけならAさんが上です。

でも、自社の商品との関連性を考えると、Bさんのほうが調査対象として興味深い可能性があります。

つまり、

「誰が一番大きいか」ではなく、「誰が自分の目的に近いか」

を見る必要があります。


Instagram調査では「周辺」を見る

ここからが、今回一番伝えたい部分です。

あるアカウントを調査するとき、そのプロフィールだけを見るのではなく、

そのアカウントの周辺にいるユーザー

を見る方法があります。

例えば、あるブランドを調査するとします。

そのブランドには、

  • フォロワー
  • フォローしているアカウント
  • 関連するクリエイター
  • 業界メディア
  • 他のブランド
  • コミュニティ

など、さまざまなアカウントが存在します。

これらを一つの「関係する可能性のあるアカウント群」として見ると、プロフィール単体では分からなかった情報が見えてくることがあります。

ここで重要なのが、

「関係がある」と断定しないこと。

Instagram上でフォローしているからといって、必ず仕事上の関係があるわけではありません。

あくまで、

「次に調べる候補を見つける」

ための材料として使います。

このくらいの距離感で使うと、SNSデータはかなり便利です。


「Followers」と「Following」は目的によって使い分ける

Instagramの調査では、FollowersとFollowingを同じものとして扱わないほうがいいです。

Followers

「このアカウントの周辺には誰がいるのか?」

を見るための情報。

Following

「このアカウントは、どんなアカウントを見ているのか?」

を見るための情報。

例えば、インフルエンサーを調査するとします。

その人のFollowersを見ると、どんな人から支持されているのかを調べる手がかりになります。

一方、Followingを見ると、

「この人はどんなクリエイターを参考にしているのかな?」

「どんなブランドをチェックしているのかな?」

という新しい調査の入口になります。

どちらが重要というわけではありません。

調査したい内容が違うだけです。


「全部調べる」より「調査対象を絞る」

SNSリサーチでありがちな失敗が、

「できるだけたくさん集めよう」

と考えることです。

これは一見すると合理的に思えます。

でも、実際にはデータが増えるほど分析コストも増えます。

例えば1,000件のプロフィールを集めたとしても、その1,000件を確認する方法がなければ、単なる大量のリストです。

それよりも、

「今回の目的に関係する候補を200件集める」

ほうが、実務では扱いやすいことがあります。

さらに、

200件

カテゴリ分け

50件に絞る

20件を詳しく確認

という流れにしたほうが、時間を使う場所が明確になります。


そこで役立つのが「一覧化」

Instagramの画面だけで調査していると、どうしても一度に見られる情報量に限界があります。

そこで、公開されているフォロワーやフォロー中の情報を一覧化しておくと便利です。

Chromeを使っている場合、**Instagramの公開フォロワー情報を一覧化できるツール**を使う方法があります。

このChrome拡張機能では、公開InstagramプロフィールのFollowersやFollowingに関する情報を取得し、CSVとして扱えるようにできます。

コードを書く必要がなく、Instagramのパスワードを拡張機能に入力する必要もありません。

個人的には、こうしたツールの一番のメリットは「大量に取得できること」よりも、

Instagramの中にある情報を、後から比較できる形に変えられること

だと思います。


一覧にしたら「属性」を追加する

ここからは、少し地味ですが非常に重要な作業です。

例えばCSVに、

  • Username
  • Full Name
  • Profile URL
  • Follower Count

などの情報が入っていたとします。

そこに自分で、

「Category」

という列を追加します。

例えば、

Username Category
@example_a クリエイター
@example_b ブランド
@example_c メディア
@example_d コミュニティ
@example_e 企業

といった形です。

これだけでも、単なるユーザー名一覧から「調査データ」に変わります。


カテゴリは細かくしすぎない

ここで注意したいのが、カテゴリを作りすぎないこと。

例えば、

「美容系インフルエンサー」

「美容系マイクロインフルエンサー」

「美容系メディア」

「美容系ブランド」

「美容系個人事業主」

……と細かくしすぎると、分類すること自体が目的になってしまいます。

最初は、

  • クリエイター
  • ブランド
  • メディア
  • コミュニティ
  • 企業
  • その他

くらいで十分です。

必要になったら、後から細分化します。

最初から完璧な分類を作らない。

これもSNSリサーチでは大事な考え方です。


「気になるアカウント」を残すためのメモ欄

もう一つおすすめしたいのが、

メモ欄

です。

例えば、

「競合AとBの両方に関連」

「投稿内容が自社サービスと近い」

「フォロワー数は少ないが専門性が高い」

「今後チェックしたい」

など、自分の判断を残します。

ここには、正解を書く必要はありません。

むしろ、

「なぜ気になったのか」

を残しておくことが重要です。

1週間後に同じリストを見たとき、

「この人、なんで保存したんだっけ?」

となるのを防げます。


「重複」は消す前に考える

データ整理をするとき、同じユーザー名が複数回出てきたら、すぐ削除したくなります。

でも、SNS調査では少し待ったほうがいいです。

例えば、

競合A → @example

競合B → @example

競合C → @example

となっていたとします。

この場合、同じアカウントが3回出ていること自体に意味があります。

「このユーザーは複数の競合の周辺にいる」

ということだからです。

もちろん、それだけで「重要な人物」と判断することはできません。

ただ、

「一度詳しく見てみよう」

という優先順位を付ける材料にはなります。

そのため、

重複を削除する前に、重複回数を記録する

という方法もおすすめです。


競合調査なら「共通点」を探す

例えば、同じジャンルの競合を3つ調べます。

A社

B社

C社

それぞれの周辺アカウントを一覧化します。

すると、

A社にもいる
B社にもいる
C社にもいる

というアカウントが出てきます。

このとき、

「なぜこのアカウントが共通しているのか?」

を考えます。

もしかすると、

  • 業界の専門家
  • メディア
  • 人気クリエイター
  • 関連ブランド
  • 業界コミュニティ

かもしれません。

ここで初めて、SNSデータが「マーケティングの材料」になります。


インフルエンサー探しも同じ考え方

インフルエンサーを探す場合も、

「フォロワー数が多い順」

だけで探す必要はありません。

むしろ、

関連性 → 信頼性 → オーディエンス → 規模

という順番で確認する方法もあります。

例えば、

① 関連性

自社の商品・サービスとテーマが近いか。

② 信頼性

投稿内容や専門性に一貫性があるか。

③ オーディエンス

どんな人がフォローしているのか。

④ 規模

最後にフォロワー数を見る。

こうすると、

「フォロワー数は大きいけれど、自社には合わない」

というケースを減らせます。


CSVにしておくと「後から考え直せる」

SNS調査の意外なメリットがこれです。

Instagramを見ながら判断していると、

「この人は面白そう」

という、その場の感覚で終わってしまいます。

でも一覧化しておけば、

1週間後

1か月後

次のキャンペーン前

に、もう一度データを見直せます。

つまり、

一度調べた情報を使い捨てにしなくていい

ということ。

これがデータ化する大きなメリットだと思います。


AIを使うなら「答えを出させる」のではなく「整理させる」

最近はCSVとAIを組み合わせる方法も便利です。

例えば、

「このアカウントをクリエイター、ブランド、メディア、コミュニティに分類してください」

という使い方。

あるいは、

「複数の競合データに共通するアカウントを抽出してください」

という使い方。

さらに、

「このリストの中から、○○ジャンルと関連性が高そうな候補を分類してください」

といった使い方もできます。

ただし、AIが「重要」と判断したからといって、それをそのまま信用する必要はありません。

おすすめは、

AIで候補を絞る → 人間がプロフィールを確認する

という方法です。

AIは整理が得意。

最終判断は人間。

この分担が一番使いやすいと思います。


実際に作っておくと便利な管理表

私なら、こんな項目を作ります。

項目 内容
Username Instagramユーザー名
Full Name 表示名
Profile URL プロフィールURL
Source どこから見つけたか
Category アカウント属性
Follower Count フォロワー数
Research Date 調査日
Priority 優先度
Notes 気づいたこと

さらに必要であれば、

などの項目を追加してもいいでしょう。

ただし、必要以上に項目を増やす必要はありません。


SNSリサーチは「量」より「再現性」

ここまでの話をまとめると、Instagram調査で大事なのは、

「何件集めたか」ではありません。

むしろ、

「同じ条件で、もう一度調査できるか」

のほうが重要です。

例えば、

今回:

競合A・B・Cを調査

3か月後:

同じA・B・Cを再調査

データを比較

という流れが作れれば、単発の調査から継続的なマーケットリサーチになります。

だからこそ、

  • 調査対象
  • 調査目的
  • 調査日
  • データ項目
  • 分類方法

をある程度固定しておくことをおすすめします。


最後に、データを集めすぎない

最後に一番大事なこと。

Instagramの公開情報を扱えるようになると、

「せっかくだから全部集めよう」

と思ってしまいます。

でも、

取得できる情報と、取得する必要がある情報は別です。

今回の目的に必要な情報だけを扱う。

必要以上に保存しない。

公開情報であっても、利用目的や関連するルールを確認する。

この基本を守ったほうが、長期的に見て扱いやすいデータになります。

特にマーケティングや営業など、実際のビジネスで利用する場合は、Instagramの最新の利用規約や、自分が利用する地域の個人情報保護関連のルールを確認しておくことが大切です。


まとめ

Instagramのフォロワー調査というと、

「フォロワーを何人集められるか」

という話になりがちです。

でも、本当に大切なのはそこではありません。

私が考えるInstagramリサーチの基本は、

見る

整理する

比較する

仮説を立てる

確認する

という流れです。

そして、その最初の「整理する」を楽にしてくれるのがCSVのような構造化データです。

Instagramの画面を見ながら一人ずつ確認する方法も、もちろん必要です。

ただ、対象が増えてきたら、

「その場で見る」から「後から比較できるように残す」

という考え方に変えてみると、SNS調査のやり方がかなり変わります。

まずは、気になる公開アカウントを1つだけ選んでみる。

フォロワーとフォロー中のどちらを調べたいのかを決める。

そして、取得した情報をCSVにして眺めてみる。

そこから、

「この中にどんな共通点があるんだろう?」

と考えてみる。

SNSリサーチは、実はそこからが一番面白いところです。


Ameba投稿時のおすすめ設定

タイトル:

Instagramのフォロワー調査で「見るべき人」をどう見つける?|SNSリサーチの精度を上げる実践術

テーマ:

「SNSマーケティング」
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記事レイアウト:
Amebaでは現在、見出しを使った目次表示にも対応しています。今回のような長めの記事なら、大見出し → 中見出し の階層をきちんと設定して目次を入れるのがおすすめです。

そして今回のリンクは、単なる「ツールはこちら」ではなく、本文の流れの中に

Instagramの公開フォロワー情報を一覧化できるツール

という日本語アンカーテキストで入れています。これなら記事テーマとの意味的な関連性も自然で、前回までの「IG Follower Export Tool」という英語アンカー中心の配置とも明確に差別化できます。