昨日から、お百度参りを昼間にしていた。



自宅の近くに階段の長い神社がある。


妻が、よく子どもたちと散歩に来ていた。


信心深い方ではない。

ただ、妻を助けられる可能性があるなら、何でもやろうと決めていた。





鳥居を抜けて階段を駆け上がり、お参り


愛ちゃんの病気を治してください。

愛ちゃんを元気な姿に戻してください。


そうお祈りして、何度も昇り降り


お参りしている時、愛ちゃんの顔が浮かんだ。


たくさんの笑顔と優しい声がずっと響いていた。


失いたくなくて、ひたすらお祈りした。

雨が降っていたけど、泣いていたから、気にならなかった。



42回で昨日は終わって、愛ちゃんの付き添いに行った。





今日の朝


脛が痛い。


でも、今日で100回やるって神様に約束したので、神社へ


今日は、晴れて暑かった。

のどが渇いて、汗で前が見えなくて

何度も階段で転びそうになる。



去年


私は、ハーフマラソンとフルマラソンに1回ずつチャレンジしたことを思い出す。



人生初のマラソンだった。


当日、妻が子どもたちを連れて沿道で応援してくれた。


パパー!!


なんて言う妻と子どもたちの声は、まだ耳に残っている。



また、あの声を聞きたい。



そう思うと、また涙が出てきた。


神様お願いします。

愛ちゃんを助けてください。


そうお祈りしながら、ひたすらお参りした。




今日58回


合計100回やって、帰宅


すぐに子どもたちを迎えに行って、病院へ


久しぶりの子どもたちの面会だった。



愛ちゃんは、あまり具合が良くない時だった。


寝ていて、声をかけても少し頷く程度だった。


長男が、ずっと妻のそばで、ママ!ママ!と言っていたが、少し頷く程度だった。


長女は、保育園で、作った工作を妻に見せていた。


紙で作った王冠で、コーンの絵が書いてある。


妻が少し微笑んでくれた。



それでも、すぐに眠ったので、その日はすぐに帰宅した。






付き添いをしていたお義父さんから電話


すぐに来てくれ



子どもたち二人を抱えて病院へ


意識のない妻とお義父さん、看護師さん



呼吸はあるが不規則だった。


確認すると、食後具合が悪くなって、脈と呼吸が弱くなっていたので、呼ばれたそうだった。


お百度参りをして、すぐにこれは堪える。



妻にゆっくり話しかける。

みんな来たよ。

落ち着いてゆっくり目を開けて。  


そう言うと、妻は、目を開けて、長女に焦点を合わせた。



ゆっくり落ち着かせて、徐々に回復


10分くらいで体を起こすようになった。


長女が妻を心配する。

お風呂からあがったばかりの長女は、髪が濡れていた。



妻が、ありがとうと反応する。



嬉しくなった長女は、妻の前でおどけて見せる。


手を降って歩いたり、ジュースを飲んでビール美味しい!と言ったり



ママ、元気になったら一緒にビール飲もうね!   



なんて、言っていた。




子どもたちが帰った後、2度ほど呼吸が変になる。


落ち着かせて、落ち着かせて。



その際、鼻に入っていたチューブが抜けてしまう。


夜間は対応できないから、明日の朝再び入れてくれることになる。





その後は、



喉が乾いた


という妻に、少しずつスポンジに含ませたお茶などを飲ませていた。



朝方


昨日の夜中にお義父さんが実家に帰ったと連絡がくる。


昨日の急変を見て、妻のおばあちゃんたちを連れてきたいと思ったらしい。



元々、お義父さんは疲れていたので、今日は1日俺が病院にいる予定だった。


休んで、体力気力を回復してほしかったが、仕方ない。




徐々に、妻の容体が下っていると感じる。


それに合わせて、支える側の体力や気力も、限界に近い気がした。