夜は、少し寝て、起き上がってを繰り返した。



寝たくないという。


起きられるか不安で寝たくない。



机にしがみついて、一生懸命水分をとっていた。



たまに記憶が変になって、色んなことを尋ねる。



私は、なんでここにいるの?

障害があるの?

どうすれば治るの?

いつ帰れるの?

私は、どうなっちゃうの?

子どもたちと一緒にいるにはどうすればいいの?

死にたくないの

どうすればいい?




とにかく休むように伝える。


少し寝てくれる。


起こしてと騒ぐ。


起きる。


机に、しがみついて水分をとる。


同じ質問をする。




朝方まで繰り返した。


2徹夜目の私は、座ったまま眠ったりしていた。


私がうたた寝した時は、看護師さんを呼んで飲み物等をお願いしていた。





朝、交代のお義父さんが来る。


談話室で、昨日の様子をお義父さんに伝えて部屋に戻ると、愛ちゃんはベッドでうずくまっていた。




声を掛ける

強く抱きしめられる。


背中をさすると、ゆっくり話し始めた。




りょうくん

ころして?

ごめんね

つらいの

だからころして

おねがい

だいすき

あいしてる

ごめんね

すきだよ

あいしてるの

でもつらいの




背中をさする。

頭をなでる。




愛ちゃん

愛してるよ

好きだよ。

ありがとう。

よく頑張ったね。

大好きだよ。

大好き。



涙を流しながら、静かに伝え続けた。


死ぬまで、愛ちゃんを抱きしめていようと思った。



徐々に呼吸が落ち着いて、飲み物を飲みたがる。



お茶ポカリを飲ませる。



横にして、少し眠らせる。


起きると、少し正常に戻っていた。


冷たい味噌汁を飲みたがったので、冷たい味噌汁を用意した。



味噌汁を飲んでいる間に、私はお義父さんに引き継いで帰宅した。





帰り道


心が動かない


大事なものを失ったような感覚


家に着く


子どもたちが暖かく迎えてくれた。


子どもたちの笑顔がしみた。


そのまま横になって、午前中は眠った。




起きると、お義母さんが昼食を作ってくれていた。


少し食べて、明日の保育園の準備をした。


その後、妻の面会へ


妻は、座ったまま寝ていた。


声をかけても、ほとんど返事はない。


たまに起きて、子どもの名前を呼んでくれた。



長女に、ランドセルを背負ってもらった。


妻が、子どものランドセル姿を見たいと言っていたから

妻の実家から借りていた。

妻と妻の妹の赤いランドセルだった。


妻は、


かっこいいね


と長女に言ってくれた。




その後、妻はほとんど話さなかった。


長女に、妻を抱きしめてもらう。

頬にキスをしてもらう。


長男に妻の手に触れてもらう。



また来るね。

愛してるよ。



そう伝えて、病室を出た。




体が重い

つらい