昼過ぎ


うちの両親が見舞いに来た。


妻を気遣い、優しい言葉をかけてくれた。



妻は、


お義父さん、お義母さん

大好きだよ


と泣きながら言った。


きっと、色んな思いで出た言葉なんだろう。


私の両親は、涙をこらえていた。




お義母さん、手を



と言って、母の手を取る。



りょうくん、クリームを持ってきて



妻に、ハンドクリームを手渡す。



妻は、ハンドクリームを受け取ると、黙って母の手に塗り始めた。


手は震えていた。

おぼつかない手つきだが、優しかった。


ずっと母の手をマッサージしていた。



父の手も同じようにマッサージを始めた。


父は照れていた。

声はずっと震えていた。



私の両親は、また来るねと何度も言って、病室を後にした。



病室で妻と向き合う。


妻は、たくさん泣いていた。


私も、たくさん泣いた。


抱きしめて、一緒に泣く。

妻は、ずっと優しく頭をなでてくれた。



ヒト泣きして、落ち着いて、水分補給



頑張るぞって前を向き、夕方まで過ごす。


お義父さんが交代に来て、子どもたちも面会に来て、


長女は母に新しく買ってもらったプリキュアの靴を愛ちゃんに自慢していた。


お義父さんに引き継ぎをして、帰宅





子どもたちとの時間を過ごす。



楽しいけど


愛ちゃんがいないのが寂しい