覚悟を決めて過した夜



愛ちゃんは、よく眠り、起きるとひたすら水分を飲んでいた。


ストローでは飲めなくて、スポンジに含ませて与えた。

歯を食いしばってしまい、スポンジを離そうとしなかった。


水分をとるうち、ドンドン飲み方が荒くなっていく。

喉がとにかく渇くようだ。



一生懸命水分をとっていた。




そのうち夜が明けた。

とりあえず朝を迎えられた。



愛ちゃんは、思ったより調子が良さそうで、味噌汁を食べて、アイスを食べていた。


元気そうな愛ちゃんを見て、ありがとうと言った。


愛ちゃんも返してくれる。


ありがとう


好きだよ


大好き


愛してる




朝を迎えられたことが、嬉しかった。




先生の回診


腕の蜂窩織炎は徐々に腫れが引いていて、この調子でいけるといわれた。


久しぶりに治る話を聞いた。

嬉しかった。


妻も喜んでいた。



その後は、漫画を読んだり、妻の行ったことのあるフランスの話をして過した。


少し安心しきっていた。




お昼ごろ、愛ちゃんの様子がおかしくなる。


声をかけても返事をしない。


ずっと上を向いたまま


何度も声をかけて、返事をしてくれるようになったが、オウム返しが続く。


聞こえている。

けれど、反応が変だ。



いきがくるしい



酸素マスクをつける。


血中酸素濃度は97


痛み止めを追加して、落ち着かせる。




徐々に落ち着いて、今は寝ている。


まだまだ

峠は超えていないのかもしれない。