平和な夜だった。


妻は、良く寝てくれた。


胸のドキドキも、吐気も、めまいもなかった。



尿カテーテルが合わなくて外したが、それだけだった。



穏やかに朝を迎えた。



妻の希望で、お母さんと妹さんに昼の付き添いをお願いした。


お父さんは今日は休み



私は、天気が良かったし、妻がしっかり寝てくれたおかげで少し休めたので、買い物を済ませて、子どもたちと大きい公園に行った。


もう、ずっと子どもたちと遊んでなかった。

だから、とにかく遊ばせてあげたかった。



大きいトランポリンやすべり台のある公園で、2人はとにかく遊んでいた。

たくさん笑ってくれた。

動画を取ったので、妻に見せてあげよう。



子どもたちを公園で遊ばせながら、父に電話した。

妻にもしも万が一があった時の相談がしたいと言っていた。


うちの親には必要なのだろう。

午後は遊んだ分、寝て夜に備えたかった。


私は、子どもたちと公園で遊びながら、親の考える妻の葬式に対する考えを聞いた。



周りは、たくさんの家族がいて、幸せそうだった。


その真ん中で、生きている妻の死んだ後の話を聞いた。


私には、子どもたちと100%遊ぶ時間もない。

この異常な日常は、いつまで続くんだろう。

いつか報われるのだろうか。




話を聞いた後も子どもたちと遊んだ。

長男は、すべり台がお気に入りで何度も滑っていた。



たくさん遊んで、ぐずり始めた子どもたちを車に乗せて帰宅する。


冷たいうどんと唐揚げ、サラダを用意できたものからドンドン出した。


長女と長男は、夢中で食べてくれた。

幸せだ。



片付けて、横になる。

少し寝たら、妻から電話


緊張。

ワンコールで出る。

耳が痛い。気持ち悪い。胸が苦しい。

声を聞く前に身体を起こして着替え始める。


お母さんと夜過ごしたい。



大した電話ではなかった。

それなら病院に行って、今からお母さんと交代して夜まで休んでもらうと伝えて、すぐに病院へ



そしたら、あまりなにも考えてなかったようで、そこで計画を練り直し


大急ぎで家に戻り、夕食の準備と子どもたちの風呂を済ませる。


自分の髪は拭かずに病院に戻る。



お母さんと交代


お母さんは自由で羨ましい

好きなことを好きにやって、あと全部こっちに丸投げだ


子どもたちの面倒を見てくれと頼んだのに

今日の朝、子どもたちは着替えていなかった。

顔も汚いままだ。

長女の目は荒れやすいのに、一度も洗顔をしてくれてない

長男は昨日の夜からおむつを替えてもらってなかった

おむつは限界を超えていて、ズボンが濡れていた。

股が赤くなって痛そうだった。


お母さんは、ご飯を作ったり、時間を守ることができない。

私が代わりにご飯を作っても、子どもたちが食べたがったからと言って、お菓子を食べさせていた。

子どもたちが欲しがるものを全て買い与える。

たとえそれが長男の飲み込めないものでも買い与える。


まだまだたくさんある。

ここで書けないくらい、ほんとたくさんのストレスをお母さんからもらった


そしたら今回は、妻のそばにいたいというワガママで、色んなことをめちゃくちゃにして、ヘラヘラしていた。



限界だった。


妻のいないところで、お母さんに


お母さんが私の一番のストレスです


と伝える。




もう、妻の前以外でお世辞顔はできない

そんな余裕ない

キツい


何度も話してきたつもりだった。

子どもたちの面倒のこと、注意してほしいこと、妻のこと

それを今日まで、何度も裏切られたこと

忘れてたと笑うお母さん


さらに頭にくる


もうあなたを信用しません。


そう伝えて、病室に戻った。

 



妻の前に立つ


全てのイライラを消して、穏やかに過ごす


妻には絶対に伝わせない。

笑顔で過ごす。





だんだん、追い込まれている気がする。

心も体も経済面も

何もかも



報われたい

報われるとか、そんな問題じゃないのに

辛くて辛くて


報われたい

報われたい