妻は、1時間に1回飲み物を飲んでいた。


寝ては起きて、水分をとっていた。


アイスボックスが食べたいと言った。


スプーンで食べさせた。


ストローで飲み物を飲めるようになって、ゴクゴク飲んでいた。


朝方には、アイスミルクティーを飲みたいと言い、ゴクゴク飲んでいた。


美味しいと微笑んでいた。

昨日の昼より、何倍も元気だった。

喋れるし、目もしっかりしていた。

回復していた。

でも、




日が昇り始めて、昨日のお母さんとの話をした。


私が謝ったことを伝えると、妻は、強い目で


命の限り生きるよ。


とハッキリ言った。





そのまま、死んでしまった後の希望を聞いた。




葬式は家族葬

遺骨は、ウチの家の墓でいいかい?



うん。お願い。

一部を持ち歩いて欲しい。

ずっと、私の一部を連れて行って。



わかったよ。



あと、万が一の時のためのお手紙やノートがあるけど、生きているうちは見ないでね。



わかった。



私が、お母さんから譲り受けた宝石は、全て大人になった唯ちゃんに譲ってほしい。

その中に、私が師範からもらった天使のネックレスがあるから、それは私につけて欲しい。



わかった。

あと、何か心残りはある?



愛してる。






…これで、脇目を振らずに最期まで頑張れる。