朝起きて、子どもたちと一緒に出勤


職場に行き、上司に相談して、介護休暇の申請を行った。


来週から1か月

完全休暇



上司には、素直に妻の側にいたいと言った。

思い出作りのためではなく、一緒に生きるために。妻を助けるために。


残務処理等を行う。



妻から、ちゃんとサプリを飲んでいると連絡があった。


まだ、妻は諦めていない。



職場の先輩から、たくさんの応援をもらう。


気にすんな。

家族のことだけ考えろ。

何でも引き継げ。

頑張って。

大丈夫。

何でも手伝います。



上司からも、


何も気にするな


と言っていただいた。



今異動期でバタバタしているのに。




たくさん頭を下げた。


感謝の気持ちを表すには、ただ頭を下げることしかできなかった。



仕事を早めに切り上げて、病院に行く。


看護師さんに、妻の今後の治療について先生と話したいと伝えた。



お母さんたちの言っていたセカンドオピニオンや腹腔内化学療法をもう一度検討したいということを相談したかった。



先生の時間があるということで、急遽面談してもらった。


先生に説明したところ、


それは非常識です。


とピシャリ



先生はめちゃくちゃ怒っていた。


今の患者さんの状態を見て、他に移るというのですか。

緩和ケアの話を白紙にするんですか。

他の病院でもここまで進行したら、受け入れるところはありません。

何をしても限られた命を苦しめるだけです。

今までもそう説明してきたはずです。

あなたたちはハッキリ言っておかしいです。

患者さんは、もう今より良くなることはありません。穏やかに過ごさせるべきです。

転院はできません。



手厳しい言葉のオンパレードだ。

先生は、何故こんなに感情的になるんだろう。

ただ、妻を助ける方法を聞いただけなのに。

それだけ、妻の容体が悪いのだろう。


その怒りようから、私が非常識なことを言ったのはわかった。



そして、転院するまで回復することは、相当な奇跡が起きないとダメだとわかった。


先生が立ち去ったあと、看護師さんにも、妻のために受け入れて、穏やかに過ごしてあげてと言われた。


看護師さんに、子どもに会わせてもらえるか聞いた。


緩和ケアに移れば会えるようだが私はわからないと言われた。


違う病棟だから仕方ないのだろう。


ただ、穏やかとか、患者さんの残された時間を大切にしてほしいと言って、子どもたちに会わせないのは、矛盾している気がする。



先生との話の後、妻の病室に行く。


妻は、仰向けで寝ていた。


腹水は、今日2.8キロ抜いた。


全部抜いて2.8キロ


今まで4キロだったのが減ったのは、単純に妻が食べていないからなのか



顔色は昨日より赤みが出ていた。


頬もわずかに膨らんでいるが、触っても肌にハリがない。


足はむくんでいない。



妻に話しかける。


今日の出来事

子どもたちの話


妻は、小さく頷くだけだった。


妻の手を握り、とにかく話した。


でも、何を話しても頑張ろうねとか、一緒に生きようねとか、奇跡を起こしてあげるからと、妻の病気を治す話にしてしまう。


明日は、病気に全く触れずに話ができるようにしよう。



妻は、仰向けで小さく頷き、たまに返事をするのみだった。


この状態の妻は、先生の言う穏やかなのだろうか。


妻に、先生との話を伝える。

黙って聞いている。


妻に、受け入れたいか聞く。


妻は、頷かない。


考えているようだった。


考えているってことは、つまり、できれば生きたいってことだ。


よくよく考えれば、読みづらいサプリ等も、こんなになっても飲んでいる。


意識のある時間が短くても、生きることに必死なんだ。




妻には、希望は捨てずに、明るく朗らかに楽しくいこう。と言った。


妻は、小さく頷いた。


これでいい。



明るく朗らかに楽しく生きることと、希望を捨てないことは両立できる。


妻を幸せにする。

そして、妻を救う。


それでいい。



妻の手を握りながら話していたが、妻は暑いと言って、手をどけた。


痩せた分、体温が伝わりやすいのか。



妻に、また来るといって、病室を出る。


子どもたちを迎えて帰宅




さー明日から仕事休んで家族に全力投球だ。


先生が何を言ったって知るもんか。

ガタガタ言うなら子どたちに会わせるくらいさせろよ。


奇跡でもなんでも起こして、妻と子どもたちと楽しく過ごす。


頑張るぞー!!