朝5時半頃、長男が泣いて起きた。


ここ数日、毎朝、長男は泣いて起きる。

長男は、


ママ


と何度も言って、誰もいない妻の布団に入り、暴れる。


抱っこをしても、抜け出して必ず妻の布団へ


そして、


ママ


と泣く。


まるで死んじゃったみたいに、泣きじゃくる。


辛いが、徐々に慣れてきた。

時間をかけて、寄り添うしかない。


妻に、子どもたちが寂しがっていると伝える。

妻は、もし可能なら、明日外出したいと言った。

また、介護用ベッドをレンタルできないかと言った。

今は、体力が衰えてベッドから起き上がるのが大変だそうだ。

月曜、病院の相談窓口に連絡してみよう。


休む時は休む。

頑張る時は頑張る。


生きるために必要なら、介護用ベッドでも何でも買おう。



先週までは元気にしていたのだ。

痛み止めシールで眠気が出たりボーッとすると言っていた。

体力が衰えているのかもしれないが、薬の副作用もある。



朝食を終えた頃、私の父が手伝いに来てくれた。


父に妻の現状を話した。


どうにか楽にしてあげたいという父

治療を無理に続けることが幸せかはわからないとも言っていた。


その言葉に少し反発してしまった。

諦めろと言われている気持ちになって、つい反発してしまった。


父の言うことは、わかってるつもりだった。

妻とも、もし、もうダメだってなったら、のんびり過ごそうと言っていた。


でも、いざその時が近くなったとわかったら、怖くてたまらない。



本当は、話を聞いてくれるだけで嬉しいのに。


父は、少し反発した私の話を、ただ聞いてくれた。


ありがたかった。

本当にゴメン。



2日前から、長女は目が痛いと言っていたので、長男を父に預けて眼科に行き、薬をもらった。



その後は公園に行ったり家で遊んだりして過ごした。



妻は、明日の午後外出することになった。


先日、先制に聞いた時は駄目と言われたが、体調が回復しているようだった。



そして、夜は妻と電話した。


子どもたちの顔を見るだけで妻は泣いていた。


体調を聞いたら、


腹水が溜まり始めて、お腹が張ってきた。

痛みは、痛み止めシールでごまかせているが、胃のあたりがたまにズキズキする。

吐き気はないが、むせてしまう。

味もぼやけて感じる。

腸閉塞は、あまり気にならないが、薬のせいかよくわからない。


と言っていた。


それでも、毎食半分は食べているそうだった。

妻の生きたいという気持ちが、食事を取っている。


栄養の点滴を入れながらなので、1日の摂取カロリーは低くないと思う。


妻の話を聞いていて、涙が出てきた。

頑張っているのに、どうしても死を意識するような体調で、何かしてあげたいのに、何もできなくて本当に辛かった。


最近の子どもたちの様子を話すと、妻も泣いた。

それを見て、また私も泣いた。

まるで、宣告を受けた日のように、一緒にワンワン泣いた。



まだまだ頑張ろう。


そう言って、電話を切った。



さっき妻から届いたメッセージには、食事を半分食べたと言っていた。

頑張ってくれた。


明日は、妻が少しだけ帰ってくる。

部屋をとにかく掃除して、子どもたちも綺麗にして、穏やかな時間を過ごそう。

たくさん妻を笑わせてあげよう。