朝目が覚めてから、先生に昨日言われたことがずっと離れない。



抗がん剤治療に耐えられないかもしれないこと

緩和ケアに全振りする見極めが必要なこと



不安を抱えながら子どもたちを起こして、朝食を取らせる。

私は、不安のせいなのか、子どもから胃腸炎をもらったのか、何も食べられなかった。


今日は、子どもたちは胃腸炎で休み、私も一緒に休んでいる。


食事を与えている時も片付けている時も、


妻のことが心配だった。



妻にメッセージを送る。


だるさは残っているが、元気になってきたそうだ。


食事も2割、3割と食べている。



栄養の点滴もしているそうだった。



妻の病院では、最近のコロナとインフルの流行で、先週から入院患者への面会ができない。


妻に会えない分、不安が増していた。


今日は検査をしたりすると言っていたのもあり、メッセージを送っても返事が遅かった。


普段は気にしないのに、妻の体調が悪いのではないかと心配で、不安が増す。



今までの妻の写真を見返す。


時を遡るごとに、元気そうな妻になっていく。


そして、12月19日


ガン宣告をされた日


妻とツーショットの写真と動画を撮っていた。


元気な妻が、たくさん笑う。



もう、この笑顔は見れないのか。


そう思うと、涙がでてきた。


そのままむせび泣いてしまう。

会いたい。

愛ちゃんに会いたい。



すると、長女と長男が寄り添ってくれた。



子どもたちに心配をかけてはいけないと思い、涙を止める。



誰かに話を聞いてほしいと思い、私は、私の母に電話をした。


母に昨日のことを話し、これまでの妻の様子を話す。


母はただ話を聞いてくれた。


それだけで少し楽になった。



母から、ずっとその事ばかり考えていると辛くなるから、気分転換しなさいと言われた。


私は、長女と長男と一緒にご飯を食べて、とにかく二人に話しかけ、笑った。


少し気持ちが晴れた。

子どもたちの笑顔は、安らぎをくれる。


写真を撮って、妻に送る。


遅れてだが、返事をくれた。


子どもたちの体調が良くなっていることを喜んでくれた。


子どもたちが昼寝をしている間は、ずっとスマホで動画を流し見していた。


何を見ていたかは覚えていない。 

ただ、ボーッと時間を過ごした。


時々、子どもや家族の動画が流れると、胸が苦しくなった。



その間、妻とメッセージをやり取りする。


明日は妻の退院予定だったが、胃腸炎が気になるので、そのまま入院を継続してもらうことになった。


三連休のどこかで外出や外泊できれば、それで良いと思った。



電話はできていない。


電話ができるほど、体調は良くないらしい。


また不安になる。




妻が死んだら


そう考えることが何度もあった。


その度に現実から目を背けたくなる。

転生や幽霊、タイムマシン等で妻に会えないかと本気で考えてしまう。

いっそ早く死にたいとも思う。


そうすれば、こんな苦しみはない。



私の人生は、なんのためにあるのか。

この苦しみの先に何があるのか。


わからない。

ただ今は、育児をして、家事をして、ボーッとして、不安になる、サイクルをただ繰り返す。