妻は昨日から体調が良い。


新しく処方された漢方も合っているらしく、痛みどめも使っていない。 


朝は病院で点滴を受ける。

ソルデムという水分を補給できるものだ。


点滴の間、子どもたちを連れて保育施設に遊びに行く。




お絵かきしたり磁石のおもちゃで遊んだ。
長男は、最近よく歩く。
色んなモノに興味が出て、あちこちフラフラする。
走ったり、気になるものを触ったり。
なにか見つけると、その度に私の方を見て、ニコーと笑う。
その顔が本当に可愛い。

長女は集中するとそこから動かない。
黙って黙々とお絵描きして、新聞で工作して…
その二人を見ているのは大変だが、楽しそうにしているので良かった。
元気をもらえた。


お昼すぎまで点滴に時間がかかるとのことで、お昼ご飯を食べながら妻を待つ。


すると妻から、

エアロバイクがほしい。

とメッセージが届く。

妻は、最近動かないので足腰が弱っていくのが怖いそうだ。
普段、妻がアレが欲しいコレが欲しいと言っても、節約と言って断ることが多かった。

でも、今回は妻が病気と戦うために欲しいという。
それならと思い、あちこちの店を回る。
しかし、今どきエアロバイクは売っていないもので、やっと見つけても高価なものだけだった。

結局通販で購入する。
本当はやる気のある今日、買ってあげたかったのに…。
あんまりにも高くて、さらに大きいものだったので、諦めた。

届くのは火曜日
妻の抗がん剤治療の日だった。

抗がん剤治療2クール目に入ってすぐ、エアロバイクが漕げるのだろうか…。
…まぁ、大丈夫だろう。元気な時にやれば良い。
妻がやる気になっている。
これで寿命が延びるなら、安いものだ。
…私も使いたいし。

妻を迎えに行くと、長女が、

お薬の玉子焼きを作ったよ

と妻に話す。
長女は、

これを食べれば、お腹痛い痛いが治るよ。

と言って、妻にエアー玉子焼きを渡す。
妻がお昼ご飯を食べていなかったから、心配したのだろう。
妻は半ベソかきながら、

ありがとうありがとう。

と言っていた。


今は家でテレビを見て過ごしている。
妻は寝ている。
少し疲れたらしい。

点滴で栄養を補給していると言っても、水分を補給しているだけだから、やはり食事を取らなければならないのだろう。

今日の妻の食事は、

朝 卵豆腐

昼 玉子ランチパック一個

だった。

腸閉塞は、食物繊維より炭水化物やタンパク質をとった方がいいと妻が言っていた。
私もそのような話を聞いたことがある。

妻のお腹に負担のかからないように、食事を考えよう。


長女の作ったお薬の玉子焼きは効いてくれただろうか。

いや、絶対に効く。
妻が元気になれば、それが証明できる。

長女の優しさを絶対に無駄にしない。


今、突然長女が、

まま、玉子焼き作るよ!
まま、おくすりいる?いらない?
何か食べる?

と言って、妻の周りをウロウロしている。
私の真似をしているらしい。
エアーで作った料理を持っていって、妻に

出来たよ。
もっといっぱい食べる?
わかった、じゃあいっぱい切るね。

と、妻の看病をする。
長男も妻の枕元でモチャモチャしゃべりながら妻のメガネと遊んでいる。

優しい子どもたちが、本当に愛おしい。