今は1月7日午前3時ころ


ぼんやりと目が覚める。

寝室で妻と子どもたちと寝ていた。



いつも、朝は憂鬱だ。

起きると必ず、妻の病気を、妻が胃ガンのステージ4だということを思い出す。そして、絶望する。胸が痛む。

毎朝、思い出す。寝ている間は、忘れられるのに。

寝ている間忘れるから、辛いのか。



起きてすぐ、妻を見る。

生きていることを確認する。

妻は、寝息を立てて、穏やかに寝ている。

まだ、生きている。

少し安心する。



妻に、ガンが発覚してから、何度も、どうする家康の最終回を夢に見る。


若くして亡くなった妻が、年老いた家康に会いに来るシーンや亡くなった家臣に感謝されるシーンが夢に出てくる。



何故かはわからない。


でも、人の一生が、終わる時

こうなるのかなと、ドラマを見ている時思っていた。


だから、妻を早く亡くしても

私が死んだら、妻が、愛ちゃんが、迎えに来てくれるのではないかと。会えるのではないかと。

そう望んでいるからなのかもしれない。


死んだ妻が、家康に会いに来た時、家康は、そんなとこにいたのか。と笑う。


きっと、家康は、何度も妻を探したのだろう。

何度も何度も、いつもそばにいた妻が、どこかにいるのではないかと探したのだろう。


そして私も、そうなるのだろう。

妻が死んだら、いつも、毎日、妻がどこかにいないか、探すのだろう。

愛ちゃん。愛ちゃん。どこにいるの。と。

でも、返事は、ないのだろう。


そんなのは、嫌だ。

妻に、そばで生きてて欲しい。

嫌だ。



何でこうなるのだろう。

高望みなんてしなかった。

妻がいて、子どもたちがいて、真面目に働いて、家を建てて、普通に暮らして、年を取って、子どもたちを送り出し、妻と老後を穏やかに過ごし、妻より少し先に死ぬ、普通の人生を送りたかった。

妻に、そんな人生を歩んでほしかった。私と一緒に。ただ、それだけだったのに。


何のために、私にこんな試練を与えるのか。

わからない。

私は、どうすればいいのか。


苦しい。

ガンよ。小さくなれ。小さくなれ。

愛ちゃん頑張れ。頑張れ。頑張れ。


お願いだから。

ガンよ。無くなってくれ。