朝起きて、朝食をいただき、こどもたちと遊びに出る。


今日は妻の退院なので、子どもたちを置いていくが、

ジイジたちは、体力がなく、どこかに連れて行くように頼めば疲れるとばかり言い、あまり役に立たない。

しょっちゅう旅行には行くが。


だから、少しでも疲れさせようと外に連れ出す。


しかし天気は雨

三が日で子育て支援センターは全て休み


結局アピタに行く。

しかし、アピタに入っても子どもの遊び場はなく、フラフラ歩いて、そのまま帰る時間になった。


実家に残す子どもたちが楽しめるように、長女に色鉛筆とパウパトの塗り絵、長男にトラックのおもちゃを買った。


二人とも歩くだけでゲンナリしていたが、買ったオモチャを両手で持ち、キラキラした目で見ながら帰った。


帰宅すると、早速買ってもらったオモチャで遊ぶ二人

二人のことはやっぱり俺がわかってる。


昼食をとり、妻の病院にむかう。

病院に着くと、すぐに妻が出てきた。

手続きが終わってないから、談話室で待とうと言う。


談話室へむかう。

すると、談話室に50代の男性が一人で座っていた。


妻は会ってすぐ挨拶をする。

昨日ここで色々お話したの。

と紹介してくれた。


旦那さんかい?

人の良さそうな男性が妻に話しかける。

男性はお腹を押さえていて、昨日手術したばかりとのことだった。


妻が荷物を整理している間少し話す。

わたしは、手術は勇気がいるか尋ねた。

手術自体、普通の人なら怖いだろう。


やるっきゃないって気持ちになったよ


と笑った。

ただ、他にないかが不安だとも言っていた。

ガンは、転移した場合が恐いと最近知った。

それが一番傷つくと聞いた。


確かに、治ると希望を与えられて手術した後に余命宣告されたら辛いと思った。


妻が看護師さんと出てきて、退院説明を受ける。

とにかく療養するようにとのことだった。

また、炭水化物を中心にして、少しでもカロリーを多く取るように言われた。


退院説明が終わり、先程の男性に妻が駆け寄る。


お互い頑張りましょー!


固い握手をしながら互いを応援しあい、別れる。


がんサバイバーの絆を見た。

やっぱり、同じ苦しみを味わった人同士が分かち合えるものもあるのだ。


病院を出て、アパートに行き、妻の荷物を持って実家にむかう。


道中、妻は助手席に座って、私とずっと手を繋いでいた。

妻の顔を見ると、とても安心する。


特に、今回の妻は一段と元気だった。

抗がん剤を休薬しており、痛み止めや吐き気止めをもらったが、ほとんど使ってないと言う。


それなら、最初の痛みや吐き気は何だったのか。

ストレスによるものか。



妻に今日何を食べたいか尋ねる。

先日まで無理をさせたので、とにかく本人の食べられるものを買って帰ることにしていた。


今日のご飯は何?


親父が鍋作るって言ってた気がする。

もしかしたら焼きそばお好み焼きかも。


じゃあそれを食べたい。



私は、あ然とした。

妻に聞けば、病院でも鶏肉等を食べたし、ゆっくり食べれば大丈夫と言うのだ。


抗がん剤を休むと、こんなに違うのか。



それでも不安な私は、スーパーで、病院で食べていた素麺や家で食べやすかったパンを購入する。


また、妻が先日退院する時アイスを買って欲しいと言っていたので、雪見大福も購入する。

長女と長男に取られると可哀想なので2つ購入した。



家に帰ると、長男は寝ていて、長女はポケモンを見ていた。


妻を見て、喜び駆け寄る長女

本当に嬉しそうだった。


その長女と雪見大福を食べる。

案の定妻が一パック開けると、長女が入っている大福の1つをねだり、これを譲った。


でも妻が大福1つをペロリと食べ、さらにもう一パック開けて、1つ食べた。

信じられない食欲だった。



その後も、風呂に入ったり、長女とパズルをしたりして過ごした。

妻は、たまに疲れて横になったが、それでも以前より元気だった。


まるで、病気に気づく前の妻になったように。



夕食は、焼きそばとお好み焼きだった。

これも、パクパク食べていた。


私は、あまりにも不安で、妻に何度も


よく噛んでね。

俺も一緒に噛むから。


と言い聞かせていたが、妻はニコニコしながら食事を進めていた。

そのうち、親父がおせちが残っているがいるかと言う。


そういえば、今年妻はおせちを食べていなかった。


妻は、食べたいと返事をして、かまぼこ、栗きんとん等を食べていた。


おせちを食べられた。


今年は、絶対に無理だと思っていた。

でも、妻は美味しそうに食べていた。

それが嬉しかった。



食後は、妻や子どもたちをテレビを楽しんだ。

そのうち、子どもたちは眠ってしまった。

妻も同じように寝た。


後で聞いたら、疲れが出たとのことだった。

それはそうだろう。


今日妻は退院して、実家に行き、子どもたちと遊び、しっかり食べた。

これはものすごい進歩だった。


疲れて当然だと思った。



子どもたちを連れて、寝室へ移る。


移動の前に歯磨きをして二人とも泣き喚いたが、寝室で転がせばすぐに寝落ちた。


子どもたちも、妻に会えて楽しかったのだろう。

または、母がいることで安心したのかもしれない。


今子どもたちは、長女が1つの布団で一人で寝て、長男は、長女の間で寝ている。


昨日までは私にくっついて離れなかった2人が、今は、一人で熟睡している。


母のチカラは、偉大だ。




ブログを書いていると、妻が起き上がる。


痛みが少しあるので、薬を飲むという。


疲れが出たのか。食べすぎたのか。

いずれにしても、妻の中にガンがあるというのを思い出させられた。

退院する時、しっかり療養するように言われていた。

最低限の家事は良いが、無理はしないこと。


すまん妻よ。

また退院指示を守れていなかった。

わたしが、しっかりしなければ。