1月1日


起きると、子どもたちが両脇に入り込んでいた。

子どもたちは、2人とも寝相が悪く、いつも、あちこちに散っているが、妻がいないからか、わたしにぴったりくっついていた。


こどもたちにパンを食べさせながら、帰省の準備をする。


妻とは、昨日の夜からずっとメッセージを送り合っていて、頑張れと応援し続けていた。


さらに、今日持ってきて欲しい荷物について連絡があったので、それらも準備する。

子どもたちの荷物についても注文が入る。


長女のコンディショナー

寝癖直し

こどもたちの保険証


いつも荷造りは妻に任せきりだったから、大変助かった。


9時頃に荷物を全て載せ、子どもたちを乗せて病院にむかう。

子どもたちは中にはいれないので、私だけ入り、看護婦さんに荷物を渡す。


すると、妻が出てきた。

予想以上に元気そうだった。

話を聞けば、今日は絶食して腸を休め、食事がとれるようになれば帰れるということだった。


元々、食べ過ぎだったという不安もあったので、ちょうどいいと思った。

妻を抱きしめ、手を握り、応援する。

負けるな!頑張れ!


妻が応える。

頑張るよ


病院を離れ、私の実家にむかう。

車の中で長男は寝て、長女はポケモンを見ていた。


実家に着くと、私の両親と弟夫婦が外出から帰ってきた。


みんな、私たちのことを心配し、子どもたちの面倒を率先して見てくれた。

おもちゃ等も買ってもらい、子どもたちは大はしゃぎだった。


昼は、長女がいくらが食べたいと言うのでまぐろイクラ丼だった。

長女が美味しそうに食べる。

おせちも出たが、これもどんどん食べた。

2人が楽しそうに食事をとっていて、何よりたくさんの大人が見てくれるのが嬉しかった。


安心して、気づいたら寝ていた。


起きると2時を過ぎていた。

リビングでは長女と長男がジイジとバアバと遊んでいた。


妻から、電話しようとメッセージがあったので、電話をする。


元気そうな妻が映る。

子どもたちは妻の顔を見てニコニコだった。

特に長男は満面の笑みだった。


お母さんだって、わかってる。

そう思うと、涙が出てきた。

10分くらいはなして、皆で妻を応援し、電話を切る。


頑張れ。待ってるよ。



妻は明るく応える。


妻のいない元旦

正直離れているだけで、不安でいっぱいだった。

でも、声を聞き、姿を見れば、妻がまだ生きていると実感し、勇気をくれる。

妻よ。

私は、君が大好きだ。

君が生きていれば、何でも頑張れる。


だから妻よ。

他は何も望まないから、長生きしてくれ。

ガンに勝ってくれ。