前回、外注に頼んでクオリティが低かった場合は、
リテークを出して直してもらうのが原則……だけど
場合によっては社内で直してしまうこともある、という話をしました。

しかし、そういった柔軟な対応がきかないケース……
すなわち「勝手に直してはいけない」ケースもあります。

たとえば、アニメ会社やイラストレーターから納品された絵で、
こちらではなく先方に「原作者としての権利」があるような場合。
この場合、仮に少々微妙なクオリティであがってきたとしても
「先方の描いたものが公式」なので、安易には直せません。

他にも、原作者本人の筆でなくとも
しかるべき監修を通ったグラフィックなどは
こちらの判断で勝手に直すことはできません。

もちろん「だから直さない」ということはなく、
先方に直してもらうようお願いするのですが……
クオリティというものは多分に主観的なものだったりするので、
露骨に低クオリティだったりクリティカルなミスがある場合を除けば
案外に交渉が難航することもあり、場合によっては
ある程度の妥協を余儀なくされることもあります。


たまに、新人でやる気あふれる社内グラフィッカーが
「顎のライン、変だったので直しておきました!」
などと報告してくれることがあるのですが……

ダメです。NGです。

そもそも、原作権の有無云々を抜きにしても
こちらの主観で「クオリティが低い」と決め付け、
勝手に直す行為は大変な失礼にあたります。

(もちろん「黙って」やることがダメなのであって、
 直すこと自体がダメなのではありませんから、
 ちゃんと相手に報告をして、許可をもらい、
 双方納得した上で修正するのであればOKです。)

ゲームは多くのクリエイターが力を結集してできるものであり、
こちらがこだわりあるクリエイターであるのと同じように、
相手にだって相手のこだわりというものがあります。

目先のクオリティアップだけを考えて独善的に進め、
お互いの尊重をないがしろにすると、最終的には信用されず、
良くない結果を生み出すことになります。