コンシューマーゲームでは、プランナーがゲームの設計図となる仕様書を作り、
その記述内容に従ってゲームを構築していくのが一般的です。
もちろん書類通りに作って終わりではない(たくさん修正・調整します)し、
仕様書の綿密さ自体も会社やプロジェクトによってまちまちですが、
少なくとも「先に書類ありき」で作っていく傾向が強いのは確かです。

一方、ソーシャルゲームではいきなりトライ&エラー的なアプローチで入り、
作りながら試したり考えてたりしていくプロセスを取ることが多いです。
仕様書的なものもないわけではないのですが、相当な頻度で書き換えられる上、
企画書を改造してそのまま仕様書にしてしまったりするケースすらあったりと、
コンシューマーと比べるとさらに柔軟性を上げた作り方をしています。

こうした作り方の違いが出てくる理由としては

・ ソーシャルはコンシューマーより基本フロー部分に共通項が多い
 (他のゲームをほぼそのまま参考にしたりすることも多く、
  書類に書き起こすより口頭で伝えたり実際に参考ゲームを
  やってもらったりした方が早くて正確なことが多い)

・ ソーシャルはコンシューマー以上に開発期間が短いことが多い
 (書類化を待っている時間が惜しい)

・ ソーシャルはコンシューマーより少人数開発のケースが多い
 (半径数メートル範囲にスタッフ全員がいるので口頭でOK)

・ ソーシャルはゲーム自体はシンプルな構造になっていることが多く、
  試しに作ってみる行為自体がコンシューマーほどしんどくない

などの理由があると思います。

この作り方の利点はとにかくスピーディであること。
また全員がディスカッション的に意見を出しやすいので、
スタッフのモチベーションを保ちやすかったり、
ひとりよがりな仕様にもなりづらかったりする点も挙げられます。

一方欠点としては、みんなの意見が入ることで
ゲームの筋がブレやすくなること。
またディスカッションに時間を取られて
全員の製作時間を削ってしまう危険性もあります。

「これだ」というとりあえずの正解(=仕様書)に頼りづらい分、
ディレクターやプロデューサーのイニシアチブが
より重要性を増しているといえるかもしれません。