皆さんは、自分が浮遊する夢を見たことありますか?

一言に浮遊の夢といってもいくつかタイプがあるようで、
私の場合は、ピーターパンのような自由飛行ではなく、
月世界歩行のようにポーンと高くゆっくりと跳ねて、
ゆるやかに地面に戻ってくるタイプでした。

高層ビルも、高い山も、何の苦もなく一足で飛び越え、
その行為に何の疑問も感じない……
そんな夢を、昔はよく見たものです。


ただ、最近は脳が(悪い意味で)大人になってしまったのか、
そうした夢をトンと見なくなってしまいました。
そのため、素敵な浮遊感覚も忘れかけていたのですが……

このゲームが、それを久々に思い出させてくれました。

GRAVITY DAZE 重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動

個人的主観であることを承知であえて言いましょう。

久々に「すごい」タイトルが出てきました!

ゲームで衝撃を覚えたのは本当に久方振りです。
(あまり好きな言葉ではありませんが)
「神ゲー」と呼んでも差し支えないのではないでしょうか。

どんなゲームなのか、すごく簡単に言ってしまうと、
「重力方向を任意に操作することで移動・戦闘するアクションゲーム」です。

$ゲーム屋さんの徒然日記

↑私が昔みた夢(軽重力)とは違い、
完全に重力方向を変えて移動することができます。
この写真では横に飛んでいるように見えるかもしれませんが、
正確には「横に落ちていく」挙動の最中です。

$ゲーム屋さんの徒然日記

↑重力方向を変えられるということは、
すなわち「壁」や「天井」が「地面」に成り得るということです。
こんなシュールな画像が当たり前のように成立します。

「重力操作」というキーワードがキャッチーなので、
ついそちらにばかり目が行ってしまいがちなのですが、
このゲームの本当にすごいところは、その重力操作に
「オープンワールド(※)」の要素をからませて、
「どんな場所でも見える限りは即座に自由に行ける」という、
大抵のコンピューターゲームが避けて通るであろう仕様を
真っ向から入れてきている点だと思います。

(※)ゲーム内世界を自由に歩き回れることを重視し、
   そのように設計されたスタイルのゲーム

ゲームの舞台である「ヘキサヴィル」という空中都市は
非常に立体的に造りこまれており、ただ歩き回っているだけで楽しめます。
誇張ではななく、本当に移動してまわるだけで楽しくて、
これは地味にすごいことだと思います。

映画にも漫画にも表現できない、ゲームだけが持つ優位性。
その一つが「自分が主体的に操作できるインタラクティブ性」です。
言い換えれば「自分がその世界にいるというリアル感」であり、
その意味において考えれば、背景も単なるBGではなく、
世界を構成する重要な要素と捉えることができます。

多くのゲームは、そうしたゲームのポテンシャルが生かされず、
背景はあくまで「背景」としてそこに鎮座しているだけ、
ということが往々にしてあります。
無論、そうしたゲームにもそれはそれで別の価値があるので、
必ずしもダメというつもりはありません。
しかし、本タイトル「GRAVITY DAZE」は

・重力操作でどこへでも自由に移動できる
・圧倒的に造りこまれた説得力のある街モデル

という2つのファクターを非常に巧妙にマッチングし、
「ゲームはインタラクティブだからこそゲームなんだ」
ということを今一度私たちに思い起こさせてくれるように思えます。

● 公式PV/2分46秒


● 紹介プレイ動画(4Gamer.net)/15分 ※7分半あたりから特に注目


Vitaユーザーであれば、文句なくお薦めしたい一本です。

一応、体験版もあるのですが、正直こちらの出来はイマイチで、
このゲームが持つオープンワールド的な魅力はあまり伝わってきません。
(ただ、このゲームが肌にあっているかどうかの参考にはなると思います)

GRAVITY DAZE 重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動/ソニー・コンピュータエンタテインメント

¥5,980
Amazon.co.jp