ソーシャルゲーム関連の話が続いていましたが、
ここらでまた、コンシューマーゲームに話題を戻してみましょう。

今日は、ゲームアーカイブスから1タイトルをご紹介。

ベアルファレス】(PS3/PSP)
$ゲーム屋さんの徒然日記-【べアルファレス】タイトル

このゲーム、はっきり言って地味です。全体的に。

しかし、地味な中にもクリエイターのこだわりが光る
いぶし銀のようなタイトルで、私は結構好きだったりします。

$ゲーム屋さんの徒然日記-【ベアルファレス】街

物語の舞台となる街「カルス・バスティード」。
そのすぐ近くには巨大な地下遺跡があり、
世界中から冒険者が集まって攻略に明け暮れている……
という設定です。

$ゲーム屋さんの徒然日記-【ベアルファレス】遺跡マップ

遺跡は非常に深い階層構造になっていて、
奥に行くほど強いモンスターが巣食っています。
入口付近は多くの冒険者によって解析済みですが、
最深部まで行けた者はまだ誰もいません。

そういった状況の中、プレイヤーもまた、
一人の冒険者として遺跡を攻略していきます。

$ゲーム屋さんの徒然日記-【べアルファレス】ミッション

このゲーム、ゲームとしてのジャンルは何かと問われれば、
「アクションゲーム」に分類されます。

よって、リアルタイムにプレイヤーを操作して
モンスターを倒していくのですが……

$ゲーム屋さんの徒然日記-【べアルファレス】戦闘画面

正直、アクションの操作性はあまり快適とは言えません。

ダメ……とまでは言いませんが、斜め視点のせいで
左上に行くつもりが右上に行ってしまったり、
距離感をはかり違えて攻撃をスカったりと、
慣れるまで思い通りに操作できないこともあります。

また、キャラクターごとに多彩な「罠スキル」が用意されていて、
おそらく開発者は「力押しで戦う単純アクション」ではなく
「リアルタイムに罠を張り巡らせて勝つ頭脳バトル」みたいに
したかったのだろうと思うのですが……大抵の場合、
罠を使って勝つより結局力押しの方が楽だったりします。

というわけで、ことアクション部分に関しては
特にお薦めするほどのタイトルではないのですが、
この作品の本当の魅力はそこではなく、
「仲間との連帯感」そして「無駄に凝った世界観」にあります。


●仲間との連帯感

仲間と冒険するゲームは数多くあれど、
本当の意味での「一連托生」を表現できているタイトルは
あまりないように思います。
しかし、ベアルファレスではそれを感じることができました。

$ゲーム屋さんの徒然日記-【ベアルファレス】部屋割

主人公は一人で街にやってきたわけではなく、
13人の新米冒険者とともにやってきます。

$ゲーム屋さんの徒然日記-【ベアルファレス】他人の部屋

全員同じ寄宿舎(?)、
一つ屋根の下で集団生活を送る良き仲間であり、
かつライバルでもあります。

$ゲーム屋さんの徒然日記-【ベアルファレス】仲間との議論

ときには全員集合し、今後の方針を話し合うことも。
なんとなく、学生のころの合宿気分を思い出します。

ちなみに、キャラ劇は全てドット絵で表現されるのですが、
このスタッフのドット絵アニメへのこだわりは異常です。
(布団で寝てるキャラの、腹式呼吸による布団の上下動まで
 ドットアニメで再現するゲームは初めて見ました……)

$ゲーム屋さんの徒然日記-【ベアルファレス】話し合い

彼らは世界情勢に巻き込まれ、徐々に追い詰められていくのですが、
それぞれのキャラがそれぞれなりに協力をして
難局を乗り切っていこうとする姿がいい感じです。

ストーリーはかわいい絵柄に反し、シリアス成分多めです。
途中、なかなか意外な展開をしてくれたりもします。

$ゲーム屋さんの徒然日記-【ベアルファレス】ステータス

言い忘れていましたが、13人の冒険者は全員仲間にできます。
遺跡を探検する時は、都度2人をチョイスして合計3人で挑みます。
13人全員に「好感度」パラメータが用意されていて、
選択肢や仲間にした時間(回数?)によって上がっていくようです。
(好感度が上がると主人公への態度が友好的になり、
 エンディングへの分岐にも影響します。)

13人全員、運命をともにしたいわゆる「クラスメイト」。
だけど、その中でも特に大切な親友ができていく……。

ファンタジー世界な題材でありながら、どこか青春ぽい、
そんな流れが違和感なく表現できている秀作だと思います。


●無駄に凝った世界観

ゲームクリアに全く関係ない無駄懲り設定の数々。
それをそこら中に配置しながら理解を押し付けないところに
スタッフの並々ならぬこだわりを感じます。

$ゲーム屋さんの徒然日記-【ベアルファレス】国の説明

▲ここまでしっかり設定してるのに、
知らなくてもストーリー理解に何ら支障なし。

$ゲーム屋さんの徒然日記-【ベアルファレス】壁新聞

▲外の世界の情勢を知らせる壁新聞。
これも読まなくても何ら問題なし。

その他ここには書ききれませんが、とにかく
メインストーリーの理解に影響ない細か~い設定が盛り沢山です。

どうでもいい人は読まなくてもプレイできますが、
私のような、凝り設定好きの人種にはたまらないでしょう。

(こういうある種自己満足ギリギリの凝り方は、
 マネタイズや効率化を重視する今のソーシャルゲームでは
 決して出せない味だと思います。
 コンシューマーゲームの聖域と言っても過言ではないでしょう。)



このゲーム、先述のアクションだけでなく、インターフェイス面にも
若干古臭い部分があり、減点法で評価してしまうと、
それほど完成度の高いゲームとは言えないかもしれません。

しかしながら、
「ゲームの価値を決めるのは完成度だけにあらず」です。

いくつかの欠点を差し引いても、なお注目すべき
魅力を備えたタイトルだと思いますので、
興味を持った方は、ぜひ一度プレイしてみてください。

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※注意:
クリア難易度は比較的高く、特にラスボスは強いです。
軽い気持ちでプレイすると、行き詰まるかも……(笑)