アニメーションの収録現場においては
通常、登場する役者が(なるべく)一堂に集まり、
実際に掛け合いながら収録を進めていきます。

一方、ゲームの音声収録では
(挿入アニメシーン等を除いて)役者を個別に集め、
音声を別々に録っていくのが一般的です。


いずれのケースにも例外はありますが、
基本的な収録方法がこのように
異なっているのはなぜでしょうか。


結論から言ってしまえば、アニメもゲームも
合わせ録りができるものなら本来はその方が理想です。

しかしそのマストさ具合には開きがあり、
アニメ用ボイスを別録りで収録するのは厳しいですが、
ゲーム用ボイスは別録りでも(理想的ではないにせよ)
一応何とかなってしまうことが多いです。
これはアニメの方がより厳密に掛け合いタイミングを
合わせなくてはいけないという、
いわばメディア的な特性によるものだと思います。

そして、出演者全員を同じ空間・時間に集結させるのは
想像以上に調整が難しいことなので、
どうしても合わせ録りにせざるを得ないアニメを優先に
スケジュールが調整され、ゲームは空き時間で個別に……
というパターンが多くなります。

と、こう書くとアニメに比べてゲームが
冷遇されているように見えてしまいますが、
別録りは合わせ録りに比べて効率的に収録できるため、
スピード面やコスト面ではむしろ有利に働きます。

逆に言えば、スケジュールやコストよりも
あくまで生き生きとした掛け合いを重視したい、
どうしても合わせ録りにこだわりたい、ということであれば
ゲームであっても合わせ録りで進めることは可能ですし、
そうやって収録しているゲームも(少数派ですが)存在します。


ちなみに、私個人の経験としては、
もちろん合わせ録りに越したことはないものの、
優秀な音響監督と共にしっかりと監修さえすれば、
別録りであってもほとんど違和感のない掛け合いを
実現することは可能だと思っています。

ただ、これはあくまで私の見解であり、
クリエイターによっては意見が異なる人もいると思います。