ゲーム業界に就職する前は、私は、
ゲームソフトはほぼ必ず中古品を購入していました。
新品であることにはこだわらない性格でしたし、
ソフトの中身は中古だろうと新品だろうと差はないわけですから、
少しでも安い方がお買い得だと考えていたのです。
中古品ではメーカーの利益にならないことは知っていましたが、
そんなことよりも自身が感じるお得感の方がずっと重要でした。
しかしその後、ゲーム会社に就職したことで、
業界の厳しい状況を自身の問題として実感することになりました。
それ以後は、少しでもメーカーの利益に貢献するべく、
ゲームは必ず新品を買うようになりました。
この感覚は、当事者になったからこそ分かるものかもしれません。
X X X X
その後、入社後の数年間は、私は中古に対し、一転して
メーカーの利益を目減りさせる「悪」であるとのイメージを持っていました。
中古販売という仕組みさえなければ、もっとたくさん売れるのに。
中古さえなければ、業界全体がもっと元気になるのに。
少なくとも数年間、そんな風に考えていました。
しかしこれもまた、物事を偏った面でしか
見られていない者の意見だったのです。
確かに、中古品はメーカーの売上を減らす存在ではあります。
しかしながら、ある一面では間違いなく業界を支えており、
単純に悪と切り捨てられるものではありませんでした。
次回は、そんな中古ソフトの功罪について
もう少し詳しくお話ししたいと思います。