前回の記事で、電源ランプの点滅は

色覚障害者への配慮との話をしましたが、

こうした配慮は、何もハードだけに限った話ではありません。


ソフトの中身においても、個人の色覚能力の差によって

ゲームの進行に不利が生じることがないよう

気を遣ってグラフィックをデザインすることがあります。


”ことがある”といったのは、業界的な義務があるわけではなく、

配慮するかどうかはあくまでパブリッシャーの自主性にゆだねられているからです。ですから、現在発売されているゲームの中には

特に色覚障害者への配慮がなされていないものも存在します。


とはいえ、色覚に多少なりとも異常がある人の割合は意外と多く、

男性ではなんと20人に1人の割合で該当するのだそうです。

("異常""障害"といった言葉が適切なのか迷うくらいたくさんいます。

 ただし、なぜか女性だと500人に1人くらいしかいないそうです。)


そのため、ゲーム業界においても

色覚障害者に配慮したデザイン(=ユニバーサルカラーデザイン)は

徐々に常識として浸透しつつあり、

ウチの会社も一通りはチェックするようにしています。



どのようにチェックするかというと、こちらのメガネ を使います。


ゲーム屋さんの徒然日記-バリアントール


この「バリアントール」というフィルターを使うことで、

色覚に異常がない人でも色覚障害者の見え方を

シミュレートすることができます。


ウチの場合は一通りゲームを作ってからメガネをかけ、

大事な文字が見えなかったりしていないかプレイチェックをし、

問題があったら修正して再チェックという手順を踏んでいます。


初めからメガネをしてグラフィックを作るという手もあるのでしょうが、

長時間かけていると頭が痛くなりますし、やはり原則的には

異常がない人の色覚センスにあわせてデザインした方がよいと

考えているので、こうしたスタイルをとっています。