第11試合 「天龍源一郎引退試合」 60分1本勝負
天龍源一郎 対 オカダ・カズチカ
天龍源一郎 対 オカダ・カズチカ
昨年のプロレス大賞を受賞したオカダが「猪木さん、天龍さんはボクと同じ時代に生まれて来なくてよかったですね。」と自身の記録と歴代の受賞者を比べて発し、その言葉に噛みついた天龍源一郎。
最後の相手に選んだのが…

そのオカダ・カズチカ!!
現IWGPヘビー級のチャンピオン!!
まさかホントに試合が実現するとは…

天龍源一郎65歳!!
オカダ・カズチカ28歳!
その差、37歳!!
オカダがこの対戦を受けるにあたって唯一天龍に条件を付けたのが「ショートタイツで試合に臨むこと」。
プロレスラー天龍源一郎の最後を肉体を隠してしまうTシャツやロングタイツで臨んでくれるなということ。
そして天龍が日本デビュー戦で着用してたガウンを脱ぐと…

ショートタイツ!!
もうこれ見れただけで泣きそうなんだけど…。

ゴング前にオカダが「俺の顔に打ってこいよ!」的な挑発。
大先輩前に凄いな!オカダ!!

天龍とオカダのロックアップ!!
ロープに押し込んだのはオカダだがチョップを打ち込むフリをしてブレイク。
再度、ロープ際の攻防で押し込んだのは天龍。
チョップを打ち込むもオカダがかわし、ロープに走る!

そこに天龍がカウンターの水平チョップ!!
場外にエスケープするオカダ!

リング中央ではまさかの天龍がレインメーカーポーズ!!
まさに金の雨が降る男の背中!!

場外で苦笑するオカダ。
外道もなんやかんやで天龍とは縁が深い。

リングに戻るとオカダが天龍に対してジャベを色々決めてみせる。
苦悶の表情を見せる天龍。

見てるだけでシンドそうな天龍だがオカダが天龍の体中の筋を色々伸ばしてあげてるようにも…。

時折、見せる水平チョップの威力はさすが!
ただその後の攻撃が故障が多くてなかなか続かない…。

いかに動かずにオカダに攻撃を加えるか。
あまり見せないヘッドバッドも!!

そして顔面蹴り!!
新日本プロレスの、現在進行形のプロレス界の顔に昭和の重みを刻み込む!!
コーナーに押し込んでの水平チョップ!グーパンチの連打にブレーンバスター!
そして…

WARスペシャル!!
一見、つなぎ技に見えるこの技だが…

オカダに昭和の重みがズッシリとのしかかる!!
これは重い!!
長身のオカダがなんとかロープに足を延ばそうと試みて上から押し付ける天龍のポイントがややずれて技が解ける。

オカダがダイビングエルボードロップ!!
天龍も得意だった技、そういえばオカダもレインメーカーに繋げる重要な技。

さあ、レインメーカーへ!
意外にも自分の得意だったダイビングエルボーでのダメージが多い天龍、万事休す!

なんとかしのいだ天龍だが最近、シングルというか一人でこんなに長い間試合をやってないせいか動きがだいぶ鈍くなってきてる…。
それでもカウンターのラリアット、グーパンチで見せ場を作り…

超低空の延髄斬り!!

この技は無理だろう…と思ってたパワーボムも!!
コーナーに背を付けほぼすっぽ抜ける形の投げっぱなし(というか落ちっぱなし)だがオイラには完全にパワーボムに見えたぞ!!

現在65歳の天龍が53歳(垂直落下ブレーンバスター)を交えての天龍、必死のカバー!
これすらオカダ、結構なんなく返す。

グーパンチ連打の天龍に…

オカダは場内が一発でどよめくドロップキック!!

昭和の痛みの伝わるプロレスをあえて受けたオカダ。
起き上がることが遅い天龍に対して低空のドロップキック(背面式ってのが渋い!!)2連発!!

天龍も最後の反撃を試みるが…

やっぱりドロップキック!!

とにかくなかなか起き上がれない天龍。
立たせるのも一苦労のオカダが…。

ダグ・ファーナスばりのバック宙式ドロップキック!!
この長身でこれやれるのは凄い(しかもその場飛び)!!
最後はやぱり…

完全無欠のレインメーカー!
この技がフィニッシュ技として定着しつつあった時に「天龍みたいなゴツゴツしたプロレスラーに決まるのかな?…」って疑問に思ったこともあったけど…こんなに見事に決まるのかってくらいに決まった!!
○オカダ・カズチカ(17分27秒 レインメーカーで片エビ固め)天龍源一郎×

見事に天龍に引導を渡したオカダ!!

あっぱれ!!

勝ち名乗りを上げるオカダ。
顔には天龍の顔面蹴りによって作られたリングシューズの跡が…。
確実に次の世代に昭和の何かが伝わった!!

勝負が決して大勢の人が天龍を心配して駆け付けるがオカダが「どけっ!!」と蹴散らす。
「何してくれんねん!!」と思いきや…

大先輩、天龍源一郎に最敬礼。
うわ~!こりゃ泣かずにはいられない…。
天龍源一郎最後の相手がオカダでホントによかった!!

立ち上がった天龍、マイクを掴み
「負けた~!!」とあのガラガラ声で絶叫。
最後の最後までなんて格好いいんだよ…。
オカダが去り天龍源一郎引退セレモニーへ。

こんなシンドそうな顔で主役がセレモニー迎えるの見るの初めてなんだけど…。

セレモニーにはかつてのライバル、スタン・ハンセンが駆け付けた!
龍艦砲!!懐かしい!!

師匠でもあるテリー・ファンクも来た!!

この貴重な3ショットを正面から見れないなんて…。

最後に天龍project代表の娘さん 嶋田紋奈さんをリングに上げ「今日だけでいい、父ちゃんの代わりにたくさん来てくださったお客さんに一言感謝を言いなさい」。
その顔はさっきの激闘で疲れ切った表情ではなく優しいお父さんの顔だった。
親父としても最高に格好いい天龍さん、お疲れ様でした!!

「みなさん、ホントに腹いっぱいのプロレス人生でした。これ以上、望むものは何もありません。ありがとうございました!!」

そして訪れた10カウント。
オイラの中でどこか沸々煮え切ってなかった昭和と言う時代。
昭和90年、これにて終焉!!!
10,522人、超満員札止めの両国国技館。
最高のプロレス、ごっさんした!!
(この項、終わり)